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この物語は、太宰さんがポートマフィアに戻るというお話です!



なんで戻ったの?という理由は私も如何創ったらいいか、分からなかったので、取り敢えず森さんが言ってた「探偵社員の一人をポートマフィアに移籍」というのが太宰さんになった。というので、話を進めたいと思います!



見る人によっては、腐気味かもしれないし、語彙力ないのでご注意を!



それでも大丈夫な方は↓↓↓























『久しぶりだね、織田作。』


――嗚呼、そうだな。


『実は最近仕事が忙しくてさぁ。』


――大変そうだな。休めているか?


『あーあ…サボりたい。』

『自殺も最近できてないし……。』


『何時も中也が止めてくるんだよ…!?』


――相変わらず仲がいいんだな。


『まぁ、そう“約束”しちゃったから、何とも云えないんだけどさぁ…。』


――お前がそれで佳いなら佳いんじゃないか?


『………………。』


『私ね、一応織田作に云われた通りにしようと思ったのだよ?』


『できるだけ人を殺さないように、かつての君みたいに……。』


『でも、中也に此方で生きる理由と居場所を与えて貰っちゃったから。』


――そうか。


『ご免ね織田作。でも私結構頑張ってたんだよ?』


――嗚呼、知っている。


『けど………疲れちゃった…。』


――あの言葉に随分とお前を付き合わせてしまった。済まない。


『だから、もういっその事“黒”として生きようかなーって!』


――凡てはお前の自由だ。


『だって片方だけが黒なんて……双黒じゃないもの。』


――お前の人生だ。


『ねぇ、そう思わない織田作?』




















――嗚呼。好きに生きろ。




























:太宰治(ダザイオサム)

:異能力 「人間失格」


――太宰治。十五歳ノ際、中原中也ト共ニポートマフィアへ加入。

――其ノ際ニ起コッタ[荒覇吐事件]ニツイテハ、別途報告書ヲ提出済ミデアル。【資料番号:伊―41―91―丙《荒覇吐事件ニ於ケル、ポートマフィア異能力者ノ活動顛末》】


――両者一年後、幹部候補トシテ素晴ラシイ活躍ト功績ヲ叩キ出ス。

――其ノ一ツデアル[龍頭抗争]ニツイテハ、後日別途報告書ヲ提出スル。


――其シテ一年後、異国組織[ミミック]トノ抗争ガ起コリ、ポートマフィアハ被害ハ受ケタモノノ最小ニ抑エ、制圧。

――[ミミック抗争]終戦後、太宰ハ消息ヲ絶チ、ポートマフィア脱退。


――其ノ二年後、[武装探偵社]ニ所属。

――探偵社員トシテ、大イニ活躍シタ。


――二年ガ経過。


――Q奪還作戦ガ遂行サレル。

――異国組織[ギルド]トノ抗争デ囚ワレタ、精神操作ノ異能ヲ持ツ夢野久作。彼ヲ奪還スベク、約四年ブリニ双黒ガ返リ咲イタ。

――国家ノ消滅ヲ目論厶[天人五衰]トノ抗争ノ際、ポートマフィア首領、森鴎外トノ取引ニヨリ、終戦後、太宰治ポートマフィアへ移籍。


――加入後、過去以上ノ活躍ヲシタ。


[共謀殺人322件]

[恐喝728件]

[詐欺その他1457件]

(※過去ノ功績ヲ加算)


――以上ガ、太宰治ノ再度加入後ノ功績デアル。



















***

再び顕在した双黒は、過去以上の功績を叩き出した。


一年半が経過。

その片割れである太宰治は、同じように過去以上の功績と活躍をし、五代幹部の一人に昇進した。



半年が経過。現在に至る。



五代幹部の一人である太宰治は、ポートマフィア移籍から計二年が経過した。




























*太宰Site*

「いやぁ…真逆太宰幹部と直々に取引ができる日がこようとは…」

ソファに座りながらそう言葉を放ったのは、黒髪に数本の白髪を生やし、相手の怒りを買わぬようにと作り笑顔を貼り付けた中年の男だった。ソファの横には二人の護衛が後ろに腕を組んで立っている。



____今日私は、首領から直にこの男の率いる組織との取引と、“見定め”を頼まれた。



「こちらこそ。我々の商談にのって頂き有難う御座います」

「こちらの台詞ですよ」

二人は小さく笑みをこぼす。

護衛をしている者達は、この冷付いた空気に汗を流した。













***

「いやぁ…今日は有難う御座いました」

笑顔を貼ったまま、男は私に手を伸ばしながら云ってきた。

私はその手に視線を移し、そしてもう一度男を見た。



黒。正に闇。


青年の瞳には何も映らなかった。


闇が、その瞳に飲み込まれたようだった。



「こちらこそ、佳いトリヒキが出来て良かったです」

握手を交わすことなく、私は吐き捨てるように言葉を告げ、その場から立ち去った。

視線を男から外す一瞬、男の笑みが引きつったのが判った。












***

日光が辺りを照らした。空を仰ぐ。

眩しかった。

嗚呼…この儘日光に照らされ続け、溶け死ぬ事はできないだろうか。

脳裏の一角に“彼”の姿が浮かび上がる。

(………矢っ張、今はいいや)

足音が聞こえた。

「太宰幹部!」

部下の一人が声をかけてくる。

「車の用意ができました」そう云った彼の背後には黒色の車が待機してあった。

「嗚呼、判った」そう云った私は車の方へと向かう。

刹那、電子音が響いた。

懐に仕舞っていた携帯からだった。

「少し待機してい給え、直ぐ戻る」

部下にそう言い残し、私はその場から離れた。




路地裏に移動し、壁に背をもたれる。

携帯を耳に当てた。

「もしもし?嗚呼首領か…如何かしました?」

携帯電話から声が響く。「えっ、取引結果?そうだねぇ…取引自体は普通でしたよ。でも、普通過ぎる……」

私は淡々と言葉を発した。

「あれくらいなら今契約してる組織でも大丈夫ですよ。……見定め?あぁ…あの組織は隠し事が随分と多い」

「恐らく密輸や人身売買……以前中也と一緒に潰したあの組織にも、加担してると思われます」

携帯電話から、首領の声が聞こえた。『それで?あの組織は我々に必要だと思うかね?』

口元に笑みを浮かべた。

誰もが気付かないような、小さな笑み。

私は、首領に頼まれた“見定め”の結果を述べた。

「あの組織は必要ない。何方かと云えば、早目に潰して土地や隠してる資産を私達が利用した方が佳い」

携帯電話から、返事が返ってきた。

「今日中ですか…?まぁ首領がそう手を回してくだされば、ですが……」

「芥川君を向かわせるって?彼は敵の本拠地には向かわせませんよ。先に手駒がいる小さな拠点を潰して行った方が効率が佳いですからね。本拠地…?それなら大丈夫です………」


太宰は低く響く声で、

電話相手の森に告げた。



「私達双黒が行きます」



少し微笑む声が電話から聞こえ、『そうかい、それじゃあ頼んだよ。太宰君』ブツッと受信が切れる。

私は暫く携帯画面を見ていた。そして一言。

「………はい」

誰にも聞かれナイ其の言葉は、路地裏の静けさに飲み込まれた。

















***

小さく息を吐き、私は路地裏から出た。部下と車を待たせている。少し早足だった。

然し私は足を止めた。

懐かしいその顔に、驚いたからだ。

「えっ…」相手も同じように目を丸くし、瞳を揺らす。

久しぶりに聞いた声だった。



眼の前には、敦君と鏡花ちゃんが居た。



本当に久しぶりに、彼等の顔を見た。

当たり前だ。私は探偵社を辞めてから、社員の誰とも会っていないのだから。

(あぁ……)

目を細める。




敦君…こんなに上背あったっけ……。


身長伸びたなぁ…。


声も少し低くなってる。


初めて会った時とは違って、瞳に光が宿ってる……。


あれから二年が経ったんだ。


敦君、成人式谷崎君と一緒に行ったのかな……。


袴とか着たのかな……見てみたかったなぁ…。


お酒とか飲めるのかなぁ、敦君。


与謝野さん辺りにお酒飲みに付き合わされてそうだなぁ……。


私も一回くらいは一緒に乾杯してみたいなぁ…。


鏡花ちゃんも身長伸びたなぁ……。


女の子らしく成長した…。


髪も伸びてるし、敦君と同じでちゃんと瞳に光が宿ってる……。


みんな元気そうだ。


嗚呼……そうだ。










____もう二年もたったんだ。











「あ…えっと、」躓いたように彼は言葉を発する。




そう。2年も経ったんだ。

私の事なんて、憶えてる筈がない。




瞼を閉じ、彼の横を通り過ぎようと歩き出したときだった。

「あっ…あの!」敦君の声が響く。



『だっ…太宰さんですよね……?』



不安じみた表情で彼は私に云った。

思わず目を見開き、彼と視線を合わせる。正に驚愕。口を開きながら、私は驚愕していた。

「そ…その、僕……」

まるで初対面の人と話すような気不味さを抱えるように、敦君は顔を俯きながら言葉を発し、次第には聞き取れない程声が小さくなっていった。

この瞬間、私は酷く後悔に陥った。

あの時、探偵社の皆と会うのはあれで最後にする積りだった。


最後にしないといけなかった。


あの別れ方で佳いと思った。



けれど違ったのだ。

何故なら今、彼がこんな表情をしているのだから。



あぁ…違う。


君の所為じゃない。


全部私が悪いのだ。


だから____






君はそんな顔をするな。





敦君は顔を俯けた儘、ズボンの裾を悔しそうに握りしめた。

「………敦」

鏡花ちゃんが落ち着いた静かな声で、敦君に優しく話しかける。

「大丈夫」

そう云って、彼女は敦君の背中に触れた。

まるで硝子玉に割れないよう触れるように、羽毛を撫でるように、彼女は優しく敦君の背中に触れた。

押したのではない、触れたのだ。

それが彼女が彼に対する、何よりもの勇気付けだった。


敦君の表情が一気に変わる。勇ましく、そして凛々しく。

正に探偵社員として相違ない表情だった。

「僕っ……中島敦です!」

先程の不安じみた表情とは、一転していた。

「僕の事、憶えてますか……?」


嗚呼……憶えているとも。



忘れる筈がないだろう?



そう、返事をしてあげたかった。然し声が出なかった。

否、声を出そうとしなかったのだ。









矢張り私も大間違いだったようだよ。

中也。











『忘れてないよ。ちゃんと憶えてる』


その言葉の代わりに、私は微笑んだ。


敦君の透明な瞳には、幸せそうに微笑みながらも、何処か哀しみを帯びる青年が映っていた。

__太宰治の『居場所』

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