ーーー
彼らはずるい。
地上で笑い合っているから。
地上で歩いているから。
「あんなふうになれたらな。」
でも、掟を破るのはだめだ。
叶わないことを口ずさむ。
アイツラはずるい。
海の中でひらりと泳いでいるから。
海の中で息ができているから。
「あんなふうにできたらな。」
でも、この村の決まりを破るとどうなるかわからない。
叶うはずもないことを口にする。
ーーー
「~~♬ 」
俺の楽しみだ。
歌は心が軽くなる。
白く椅子のような、大きな貝殻のような岩。
お気に入りの場所だ。
いつも心惹かれた彼を目にする。
でも今日は走り去っていった。
何かあったのだろうか?
でも、足がないとだめだ。
「外を歩いてみたい。」
今日もそう願う。
地上の者との結婚などは禁止されている。
夢海国ではそう伝えられている。
ーーー
どこからか聞こえる音色。
俺の楽しみだ。
口ずさむと心が軽くなる。
「~~♪」
近くにある岩に座って、それを聞く。
煩悩を晴らすみたいに。
でも今日は聞くのは諦めたほうが良かった。
村の近くにサメが最近出るらしい。
何があったんだ、、
でも俺は泳げない。
「海で泳ぎたい。」
俺はただ言うだけ。
でも、恋をした奴の姿を見たことがない。
海に飛び込めば見えるのだろうか。
ーー
ある日、ものすごい嵐に襲われた。
俺は関係ないけど、彼が見当たらない、、
「どこッ?!」
声を荒げる、彼は一体どこに、?
まさか、海の中ではないだろうか?
「急がなきゃ、、!」
サメがいても関係なしだ。
俺はサメより強い。
大丈夫、だって俺は国でも強いほうなんだから。
彼を助けるためなら、命なんて捨てる。
禁断の恋をすればもう理性なんて消える。
恋してしまった彼に、手を差し伸べる。
「助けに来たよ。」
俺はもう、海になんか居たくない。
「ここなら大丈夫。」
ーー
かすかに聞こえる歌声。
確か俺は、、サメ退治に行って、?
「~~♬」
聞いたことある声、、
まさか、、?!
「あれ、?起きちゃった?」
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