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? おーい起きろーー
遠くで声が聞こえてくる
俺は布団を被ったまま寝返りを打つ
ガチャリ
? おい起きろって
らだお んん〜っ……まだ寝る……………
? ちっ……
ベシッ
布団の上から叩かれた
らだお 痛いよぉ……
? さっさと起きやがれクソ兄貴
らだお えぇー…だってまだ眠い…………
バシッ
さっきより強く叩かれた
らだお わかった!わかったってっ
らだお だから叩かないでー…
? じゃあ早く起きろよ
らだお うん…わかった…
らだお あと五分だけ…………
バンッッッッ
先ほどとは比べ物にならないくらい強く叩かれた
らだお あぁぁっっ!?
らだお 痛いぃっ!?!??
痛みで飛び跳ねて起き上がるとそこには俺の双子の弟であるラディが立っていた
ラディ さっさと起きないのが悪い
らだお うぅ……だからって叩かなくても良くない…?
ラディ うるせーもう飯できてるからはやく出てこい
らだお はーい…
ラディが部屋から出て俺は布団をたたみ洗面所へ行く
顔を洗って目が覚めたところでリビングに行くとラディが先に朝食を食べていた
ラディ 今日はトーストだあと遅かったから先食ってるからな
らだお はーーい
俺はラディと向かい合わせになる形で席に着くとラディのつくったほんのりと甘いトーストを口に頬張った
ラディ やっと目が覚めたか?
らだお んー
口に頬張っていて喋れないが答える
ラディ えーっと今日の依頼はな”魔族“の討伐依頼だ
トーストを飲み込み喋る
らだお 魔族…?
ラディ あぁ
らだお 最近出てきてないんじゃなかったっけ?
ラディ どーやらあそこの……えっと………死の森……だっけ?
ラディ なんかそこの森の奥深くに沼があってその沼にモノ好きな魔族が住み着いたらしい
らだお へぇーそーなんだ……他の情報は?
ラディ 依頼者からはこれしか伝えられてない
ラディ いつもならあるような容姿の説明とか能力とかなんもない
らだお またまた変な依頼受けたね
ラディ …
………
妙な間が開きラディが喋り出した
ラディ ほらさっさと食え
ラディ 置いてくぞ?
らだお えっ!?ちょっとまってっ………まだ
らだお 食べ終わっひぇない……(食べ終わってない)モグモグ…
ラディ 食いながら喋るなよ行儀悪いだろ
らだお んーっっっんんー!!
ラディ あぁわかってるって!!置いてかないからゆっくり食え!
らだお んっ…………
やばい…喉詰まった………
らだお ングンンッ……
ラディ はぁ…
ラディはそっと俺に水を渡してくれた
俺はそれを受け取り飲んだ
らだお ぷはぁっっ…
らだお あぶねー死ぬかと思った………
ラディ 本当にお前は世話のかかる兄だな
ラディ ふっw
らだお あぁー!何笑ってんだ!?
ラディ いやw
ラディ なんでもない…ww
らだお もー!ラディ笑うなって!
ラディ ふふっwあははwww
幸せそうに笑う弟を見て俺はラディの兄で良かったと改めて実感した
俺は食べ終わると片付けをしとりあえず支度(着替えただけ)をした
ラディ 準備終わったかー?
らだお 終わったー
俺は青鬼の杖を持ち玄関まで行った
ラディ やっぱ”それ“か
らだお 俺はこれが1番使いやすいからね
ラディ ふーん?
ラディ まぁ死ぬなよ
らだお どうしたの今日?すっごい素直だけど………
ラディ はぁ?お前が死んだら俺も死ぬから死ぬなつってるだけなんだが?
ラディ 勘違いするなよお前のことが心配なわけじゃないからな!
ツンツンしながらも俺を気遣ってくれる優しい弟が好きだ
らだお ありがとねラディ
名前を呼ぶと嬉しそうに反応してくれる弟が愛おしい
ラディ うっせ…
俺はラディを絶対に守るよ
もし
死んでしまったとしても……ね
家を出て数十分が経過しただろうか
俺は今ラディとともに霧の濃い森を彷徨っていた
ラディ ……
らだお ……
らだお あのさ…ここさっきも通んなかったっけ…?
ラディ …それは…そう………
らだお 俺ら…まよ______
ラディ それ以上はいわなくていい…
ラディ でも…なんで迷ったんだ……?
ラディ てか位置を確認する道具が全般使えなくなってるんだよな…
らだお それも魔族のせい…?
ラディ さぁ?知らないけどその可能性が高いかもな
しばらく歩いているとラディが急に立ち止まった
らだお ラディ?
ラディ 兄貴…一歩下がれ
俺は言われるがまま下がった
その瞬間急に霧が晴れた
らだお わぁお……
ラディ なんか違和感あったけどここだったか…
らだお なんか“視えてた”?
ラディ うん…紺色の糸みたいなのが視えてた
ラディ ぼやけてよくわかんなかったけどね
らだお そんなことないでしょ
らだお だってここを見つけられたんだから
そうそこには黒いドロドロとした沼が目の前には現れていた
ラディ まぁ結果オーライってやつか
らだお じゃあ沼の調査だけど………どうする?
ラディ 上で待機か中に入るか…と言う意味…?
らだお うん…
ラディ 俺は上で待機がいいな
らだお 俺も同じく
ラディ …
らだお …
らだお&ラディ せーのっ!
らだお&ラディ じゃんけん…
らだお チョキ
ラディ グー
らだお 負けたぁぁっ!?
ラディ 俺はグーを出した時負けたことがないからな
らだお 何その自慢……
ラディ ほらいってこーい
らだお うぅ……最悪だぁ…………
俺は青鬼の杖を使い自身の周囲に空気の膜を形成するが沼に入るにはやっぱり抵抗がある
らだお ねぇ…ラディ………やっぱりはいらなくてもい_______
ドンッと背後から押された
振り返るとラディがにこにこ笑っていた
らだお おまっっ…
俺は沼に落ちた
ドプンッッッ
沼の中は真っ暗で何も見えなかったがとにかく下に落ちていることだけは理解できた
一体どこまで落ちるんだか……
そんなことを考えていた時だった
足が空気に触れると同時に体が重力を思い出したかの様に素早く真っ逆さまに落ちていく
らだお うわぁぁっぁぁっぁぁっっっ!?!??!!!?
叫びながらもなんとか着地した俺は謎の空間を見渡す
古いベッドにソファ、テレビなど昔のレトロなガラクタが並ぶ不思議な部屋だった
部屋といってもドアはなく沼の下……?の中にある空間といった方が正しいのかもしれない
人が住んでいるような形跡が残っていることから例の魔族はここに住み着いているということで間違いはなさそうだ
らだお すいませーん
らだお 誰かいますかー?
ってこんなんで出てきたらすごいよな
? はーい
返事きた!?
どこからともなく現れた人間に俺は驚いた
らだお あ…もしかしてここに住んでいる方ですかね…?
? はいそうですよ
コンタミ 私の名前はコンタミ
コンタミ 以後お見知り置きを
らだお あぁえっと俺は青井らだおです