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もう一度、空を見上げる。
本当に青く澄んだ、洗いたての空が広がっているー。
学校の坂道にさしかかると、桧山たち男子数人がまえを行くのが見えてきた。
「おーっと、あっぶね!」
「あはは、そっちがトロいんだろ」
「あーあ、桧山にはかなわないなー」
右に左に跳びはねながら、スレスレのところに泥を飛ばしてスリルを楽しんでいるらしい。
·····まったく、いつまでたっても男子は子どもなんだから。
特に、桧山!
桧山一翔ー。
同じクラスの男子で、運動が得意で、いたずら好きで、子どもっぽくて、にんじんが嫌いで、素直じゃなくて、それで、その·····私の彼、です。
·····いやいやいや。
私は、自分で自分に照れてしまう。
彼氏といっても·····。
例えば、追いかけていって後ろから「おはよう」って声をかけるとか·····、そういうことはできない。
これが中学生や高校生のカレカノなら·····。
いや、同じ十二歳でも、例えばうちのクラスのもうひと組のカップル、花日と高尾だったら。
「おはよー」
「おぅ」