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第四章 地獄編
第二話「揺らぐ世界」
地獄・閻魔殿。
静まり返った玉座の間で、閻魔は一人考え込んでいた。
「酒呑童子……。」
部下が報告する。
「現世への扉を発見しました。」
「ですが、世界の理により開けられません。」
閻魔は静かに頷く。
「当然だ。」
「世界には越えてはならない境界がある。」
「私ですら、その扉を自由には開けられない。」
しばらく沈黙が流れる。
閻魔は酒呑童子の力を思い返す。
「実力だけなら……。」
「酒呑童子は七つ大罪・傲慢と同等。」
「だが、傲慢は『理想』という能力を持っていた。」
「だからこそ、最強だった。」
「酒呑童子は能力では劣るが、それでも脅威に変わりはない。」
閻魔は静かに立ち上がる。
「止められる者が必要だ。」
思い浮かぶのは、一人の少年。
「古流斬……。」
部下が困惑する。
「しかし、古流斬は亡くなっています。」
閻魔は静かに目を閉じた。
「知っている。」
「だが、今はあの者に頼るしかない。」
「酒呑童子を止められる可能性があるのは、あの子だけだ。」
しかし、問題があった。
地獄には絶対の掟が存在する。
『地獄で魂が完全に滅びた者は無へ還る。』
『そして百万円……ではなく、百万年の時を経て、ようやく再び地獄へ戻ることが許される。』
閻魔は低く呟く。
「この掟を破れば、世界そのものが歪む。」
「それでも……。」
「酒呑童子を止めるためなら。」
「私は古流斬に干渉する。」
その決断を下した瞬間――
世界が揺れた。
⸻
現世。
突然、空が黒い雲に覆われる。
激しい雷鳴。
大型の台風が発生し、大地は小さく震え始めた。
「地震だ!」
「異常気象……!?」
世界各地で原因不明の災害が相次ぐ。
防衛軍本部でも警報が鳴り響く。
ケイトは窓の外を見つめる。
「ただの自然災害じゃない。」
ラントも険しい表情で空を見る。
「何かが……始まっている。」
誰も知らない。
地獄で下された一つの決断が、現世の均衡を揺るがし始めていたことを。
――第三話へ続く。
古流斬
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チタコロ
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コメント
1件
第76話、読み終えました。閻魔様が掟を破ってでも古流斬に頼る決断をしたところ、すごく重かったです。「世界そのものが歪む」って台詞、じわっと響きました。地獄と現世がリンクして空が黒く覆われ災害が起きる描写も、世界観が広がってゾクゾクしました。酒呑童子と古流斬の対決の行方、めちゃくちゃ気になります!