テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
第四章 地獄編
第三話「見返り」
間の世界。
夢と現実、生と死の狭間。
そこには、一人の少年が静かに座っていた。
古流斬。
「……今日も静かだな。」
その時。
間の世界全体が激しく揺れた。
ゴォォォン!!
古流斬はゆっくり立ち上がる。
「……始まったか。」
⸻
一方、地獄。
閻魔軍と酒呑童子軍が激突していた。
鬼たちが次々と倒れ、閻魔の兵も崩れていく。
「止めろ!」
「酒呑童子を進ませるな!」
だが。
酒呑童子は圧倒的だった。
巨大な金棒を一振りするだけで、大地が砕ける。
「弱い。」
「これが地獄の管理者か。」
閻魔が刀を抜き斬りかかる。
しかし。
ドォン!!
たった一撃。
閻魔は地面へ叩きつけられた。
「ぐっ……!」
酒呑童子は静かに見下ろす。
「終わりだ。」
閻魔は立ち上がろうとするが、もう体は動かない。
勝敗は決した。
酒呑童子の圧勝だった。
⸻
酒呑童子は部下へ命じる。
「探せ。」
「古流斬を。」
鬼たちは間の世界へ足を踏み入れる。
しばらく歩いた先。
一人の少年が木にもたれ掛かっていた。
「来たか。」
古流斬は静かに目を開ける。
酒呑童子は古流斬の前まで歩く。
「ようやく見つけた。」
古流斬は相手を見つめる。
「酒呑童子か。」
「閻魔に勝ったみたいだな。」
酒呑童子は頷く。
「要求がある。」
「現世への扉を開けろ。」
沈黙。
古流斬は表情を変えない。
「断る。」
酒呑童子は眉をひそめる。
「話は最後まで聞け。」
古流斬は静かに笑う。
「聞いてるさ。」
「だから聞く。」
「見返りは?」
酒呑童子は少し驚いたように目を細めた。
「見返りだと?」
古流斬は腕を組む。
「俺はもう死んだ身だ。」
「現世に未練はある。」
「だが、ただ働きする気はない。」
「お前は何を差し出せる?」
間の世界に静寂が流れる。
酒呑童子は古流斬を見つめ、不敵に笑った。
「面白い。」
「なら交渉を始めよう。」
二人の駆け引きが、世界の運命を左右することになる。
――第四話へ続く。
コメント
1件
うわあ、ついに酒呑童子と古流斬さんが直接対峙しましたね…!閻魔様があっさり倒されてしまうほどの圧倒的な力を見せつけられた後だからこそ、古流斬さんの「見返りは?」という静かな問いかけがすごく効いてます。死んだ身でありながらも交渉の主導権を握ろうとする姿勢、かっこよかったです。駆け引きがどう転ぶのか、次話が気になって仕方ないです!
古流斬
2,542
87
チタコロ
323