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#鬱展開
Mist-404
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mogyumogyuGemi
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GENESIS・中央制御区画
ガァン!!
閉ざされた隔壁へ、イレイダの斬撃が叩き込まれる。
火花が散る。
しかし――傷一つつかない。
「チッ……!」
イレイダは刀を構え直した。
「ソウヤ! 聞こえるか!」
返事はない。
結衣が扉へ手を当てる。
「ソウヤ……!」
タジは制御盤へ飛びついていた。
「待って!外部から解除できるか調べる!」
千太も険しい表情で隔壁を見つめる。
「急いだ方がいい。」
イレイダが振り返る。
「何が見えた?」
「……何も。」
「は?」
「ソウヤが扉の向こうへ入ってから、あいつの未来だけが見えない。」
一瞬、全員が黙った。
隔壁の向こう
暗闇。
ソウヤは一人、巨大な空間を進んでいた。
壁面には一つだけ文字が浮かんでいる。
Transmigratio
「……なんで俺の能力名がここにある。」
返事はない。
「レイ。」
「……。」
「知ってるんだろ?」
長い沈黙。
やがてレイが答える。
「知っている。」
「だったら教えてくれ。」
「まだ話せない。」
ソウヤが歯を食いしばる。
「またそれかよ!」
声が空間へ響く。
「俺は何も知らないまま、ずっとお前の力を借りて戦ってきた!」
「なのに俺の能力がここに記録されてる!」
「これでもまだ教えられないのか!?」
レイは答えない。
その時――
カッ!
部屋全体に照明が灯った。
「……!」
そこには無数の研究装置。
そして中央。
巨大なガラス容器が一つだけ設置されていた。
ソウヤが近づく。
表示された文字を見る。
だが――
名前の部分だけが破損している。
「読めない……。」
その瞬間。
「触るな!!」
レイが叫ぶ。
遅かった。
ソウヤの指が装置へ触れる。
記憶
ドクン!!
「ぐっ……!」
頭の中へ大量の映像が流れ込む。
研究施設。
白衣の人間たち。
血。
誰かの叫び声。
そして――
一人の少年。
顔だけが見えない。
『人格反応、確認。』
『適合率上昇。』
『これなら――』
映像が途切れる。
「うああああっ!!」
ソウヤが頭を押さえて倒れた。
その瞬間。
人格が揺れる。
目つきが変わる。
身体から、ソウヤ自身とは明らかに異なる威圧感が漏れ始めた。
「ソウヤ!」
レイが必死に押さえ込む。
「意識を保て!」
「レ……イ……。」
「今、私に渡すな!」
「ここでtransmigratioを発動すれば、奴らの思惑通りになる!」
ソウヤは床を殴る。
「だったら……!」
震える身体を、自分自身の意思で起こす。
「俺が……耐える!」
東京湾
一方。
海上ではグランと間宮トオルの戦闘が続いていた。
間宮の周囲を解析装置が旋回する。
グランが右から踏み込む。
間宮は事前に回避。
だがグランは途中で踏み込みを止めた。
「……!」
間宮の予測が外れる。
次の瞬間――
グランが左脚を振り抜いた。
ドゴォォォン!!
間宮の障壁へ直撃。
一枚。
二枚。
三枚。
重ねて展開された障壁が連続して砕ける。
間宮の身体が海面へ叩きつけられた。
ズザァァァァッ!!
「……なるほど。」
間宮が血を吐きながら立ち上がる。
「意図的に動作を変化させていますね。」
グランが冷たく見下ろす。
「解析できるのは、過去だけだ。」
「人間が次に何をするかまで決められると思うな。」
マラン
その戦いをマランが見つめている。
ペインが笑った。
「やっぱグランやべぇな。」
「ああ。」
マランは短く答える。
「ペイン。」
「あ?」
「周囲を見ろ。」
ペインが振り向く。
海上に複数の反応。
Azの増援だった。
ペインが口角を上げる。
「俺たちの出番か。」
マランも構える。
「グランの邪魔はさせない。」
二人が同時に飛び出した。
名取家・単独戦線
山中。
名取惣一。
千藤院刹那。
夜鳴鵺夢幻。
三人は古い地下道を進んでいた。
刹那が先頭の惣一を見る。
「惣一様。」
「どうした?」
「この場所……妙です。」
夢幻も壁面へ目を向ける。
「私も同感です。」
壁には古い術式の痕跡。
夢幻が指先を近づける。
触れる直前で止めた。
「呪詛が残っている。」
惣一の表情が険しくなる。
「どれくらい古いか分かるか?」
「分かりません。」
夢幻は目を細める。
「ただ、今も生きてる。」
その瞬間。
ズズズズズ……。
地下道の奥から黒い靄が流れ出す。
刹那が即座に刀を抜いた。
惣一も前へ出る。
「ここから先は慎重に行く。」
三人だけの戦い。
能研とは異なる場所で――
名取家の物語も動き始めていた。
そして――ネリクマ
東京郊外。
崩壊したAzの無人兵器の残骸。
その上に、小柄な少女が座っていた。
ネリクマ。
「……。」
遠くから爆発音。
ネリクマが顔を上げる。
東京湾の空が微かに光っている。
「派手にやってんなぁ。」
立ち上がる。
すると背後で――
ガシャン!
まだ一機、生きていた。
損傷した無人兵器がネリクマへ砲口を向ける。
エネルギーが収束。
ネリクマは振り返る。
「まだ動くの?」
砲撃。
ズドォォォン!!
だが直撃する寸前。
ネリクマが腕を伸ばした。
指先が砲撃へ触れる。
strāgēs――破壊。
バキッ。
エネルギーそのものが崩れる。
光が細かな粒子となって消滅した。
続いてネリクマが無人兵器の装甲へ手を置く。
「もう寝てろ。」
バギギギギッ!!
亀裂が一瞬で全身へ走る。
外装だけではない。
内部機構まで同時に破壊され――
ガシャァァン!!
巨大な機体が崩れ落ちた。
ネリクマは何事もなかったように歩き出す。
向かう先は――東京湾。
ハルシオン
艦橋。
フランがレーダーを見る。
オペレーターが振り返る。
「フラン!」
「陸上から東京湾へ接近する能力反応を確認!」
「所属は?」
「不明です!」
ベルトが反応値を見る。
「……妙だな。」
フランが尋ねる。
「何がだ?」
「接近する途中にあったAzの無人兵器が――」
画面が切り替わる。
大量の反応が次々と消失していた。
「全部、破壊されています。」
フランの目が細くなる。
「一人でか?」
「そのようです。」
フランは窓の外を見る。
「……また、とんでもない奴が来たな。」
GENESIS・中央制御区画
ソウヤはようやく立ち上がった。
「はぁ……はぁ……。」
レイが問う。
「動けるか?」
「ああ。」
「なら奥へ行け。」
ソウヤが驚く。
「さっきまで止めてただろ。」
「状況が変わった。」
レイの声が低くなる。
「奴らが起動しようとしているものを止める。」
「何を?」
沈黙。
そして――
「私にも分からない。」
ソウヤの目が見開かれる。
レイですら知らない。
その事実が、何より不気味だった。
奥の巨大隔壁が開く。
その先。
巨大な空間の中央に――
一人の人影が立っていた。
ソウヤが構える。
「……誰だ。」
人影がゆっくり振り返る。
しかし顔は暗闇に隠れている。
「ようやく来たか。」
「transmigratioの能力者。」
ソウヤの拳に力が入る。
そして同時刻。
東京湾へ向かっていたネリクマが突然足を止めた。
「……ん?」
GENESISの方向を見る。
小さく首を傾げる。
「なんだ、これ。」
ネリクマの表情から――
初めて気怠そうな雰囲気が消えた。
「……ヤバいの、いるじゃん。」
複数の戦場が動き始める。
能研。
名取家。
マスタークラウン。
NWO。
ハルシオン。
そして――
ネリクマ。
世界の歯車は、さらに大きく回り始めていた。
第77話 完
コメント
1件
76話読了!今回もめっちゃ熱かったわ🔥 ソウヤの能力名がGENESISに記録されてるって、やっぱ彼の出自に何かデカい秘密あるんだな…。レイが止めるほど危険な記憶ってのがもう気になって仕方ない。それに耐えたソウヤ、めっちゃかっこよかった。 グランvs間宮は「過去しか解析できない」って心理戦が痺れた。ネリクマのスキルも初見でヤバさが伝わってくるし、最終盤の「ヤバいのいるじゃん」で終わる感じ、続き待ってました案件すぎる! それぞれの戦線が動き出して、一気に終盤感出てきたね。次回が怖いけど楽しみ!😤