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―夢でも君のことを大切に思ってる―
🌠第3話:交わした言葉
気づいたら、私はステージの裏に立っていた。
さっきまで遠くにいたはずの推しが、目の前にいる。
照明の音も、人のざわめきも遠のいて、世界が静かになる。
彼はペットボトルの水を飲んで、ふっと息をついた。
その仕草が、信じられないくらい自然で、現実みたいだった。
「……ライブ、本当に素敵でした」
緊張で声が震える。
彼は少し驚いたように私を見て、やさしく笑った。
「ありがとう。来てくれてうれしい」
近くで聞く声は、思っていたよりも落ち着いていて、温かかった。
「私、あなたにたくさん救われてきたんです。
どんなに疲れてても、あなたの言葉に助けられて……」
言葉が止まらなかった。
本当はこんなこと、言えるはずないのに。
彼は静かにうなずいた。
「そう言ってもらえるのが、一番うれしい」
その瞬間、空気がふわりと揺れた。
光がやさしく滲んで、景色が少しずつ溶けていく。
でも私は、まだそれを夢だとは思っていなかった——。
⸻
読んでくれてありがとう!
みんなは実際に推しに会って話してみたいなとは思う?いざ会うと緊張して固まったちゃいそうじゃない?
次回もお楽しみに!