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蓮Side
フリーズと一対一で戦っていた俺は、不意をつかれて触手に首を締め上げられてしまった。体力も集中力も減っていて、もう諦めてしまいそうになった時。みんなが、俺を助けに来てくれた。
🖤「み、んな……!」
「……随分と早いご到着ですねぇ」
そう言いながら、フリーズがさらに強く拳を握る。
🖤「う、うぅ……」
💙「あの野郎、よくも目黒を……!」
💚「待って翔太!そのまま行ってもフリーズが!」
💙「……くっそ」
気味の悪い微笑みを絶やさないフリーズとみんなが睨み合う。
その間、俺の脳内にふっかさんのテレパシーが届く。
💜『めめ、ほんとごめんね。今どんな感じ?』
🖤『今触手をちょっと凍らせて耐えてるんだけど、そろそろヤバいかも……』
💜『え、そんなことしてんの!?すぐ助けるから、もうちょっと待ってほしい!』
🖤『……みんなの攻撃に合わせて一気に凍らせたりとかしようか?』
💜『それできたら、かなり隙作れそうだからありがたいんだけど……まじでいいの?』
🖤『大丈夫、任せて』
💜『ありがと、無理はしないでね?んじゃこっからはみんなの声送るわ。作戦どんな感じか聞いてて!』
ふっかさんとのテレパシーが終わると、イヤホンで聴いているようにみんなの作戦を立てる声が聞こえてくる。
💜「めめそろそろヤバいって。早くしよ」
💛「わかった。じゃまず触手部隊とフリーズ部隊に分かれよう」
🧡「あの触手、あの時のブヨブヨと同じやつかもしれんな……俺そっち行く、ブヨブヨは対策済みや!」
❤️「なら俺も行くよ。目黒を傷つけないように燃やしてみせる」
💙「おう。もしミスっても俺が消すから安心しろ」
🤍「めめの回復は任せてよ!」
💛「じゃあ、残りの俺らでフリーズ行こう」
💜「めめが触手一気に凍らせてくれるらしいから、結構隙は作れるかも」
💚「それはありがたいね……なら、凍ったと同時にふっかがフリーズの後ろに移動してもらって」
💜「ん、俺とあべちゃんで挟む訳ね」
💚「そうそう、空中の俺らと地上のニコイチって感じで」
🩷「了解でありまーす!」
テキパキと作戦を立てていく8人。やっぱり、1人より9人だな……
💜『めめ、大丈夫?』
🖤『うん。今から凍らせるよ』
💜『ありがと、頼んだぞ!』
「……いつまで話し込んでいるのですか?」
フリーズの手がさらに強く握られていく。息が苦しくなってきたけど、俺は最後の力を振り絞って一気に触手を凍らせた。
「んなっ?!」
戸惑うフリーズの手が弱くなる。その隙に、あべちゃんとふっかさんが移動してフリーズに集中攻撃を、ゆり組が辺りに蔓延る触手を攻撃し、康二が俺の首回りの触手を壊してくれた。
🧡「めめ!大丈夫か?」
🖤「ありがと、康二……」
🧡「ほなラウール、めめを頼んだで」
🤍「うん!康二くん気をつけてね」
俺をラウールに引き渡すと、康二は果敢に戦いの輪に混ざっていった。
🤍「めめ、すぐ回復するからね!」
そう言うとラウールは、
🤍「プロテクトライト!」
と呪文を唱え、俺らの周りに光のシェルターを作った。
🖤「すごい、こんなことできるなんて……」
🤍「へへん、岩本くんに教えてもらったんだ!じゃあ、ちょっとジッとしててね」
得意げに言うと、ラウールは黙々と俺の回復を始めてくれた。言われた通り横になってジッとしながら、俺は半透明のシェルターから見える7人の戦いを見守っていた。すると突然、フリーズと対峙していたはずの阿部ちゃんの動きが止まり、その場で頭を抑えて何やら苦しんでいる。
🖤「えっ?!阿部ちゃん!!」
🤍「うわっ、ちょ、めめ待って!まだ回復終わってない!!」
ラウールが何か言っていたけど、俺は気にせずシェルターを飛び出した。
俺が合流する頃には、うずくまる阿部ちゃんにふっかさんと佐久間くんが寄り添い、岩本くんが3人を庇うようにしてフリーズを睨みつける。
周りで触手やフリーズの手下を片付けていたゆり組と康二くんも異変に気づいて、戦いながら近づいてくる。
🩷「あべちゃん!しっかりして、あべちゃん!!」
佐久間くんが声をかけても、阿部ちゃんは反応しない。
💛「ちっ……目黒を助けられたかと思ったら次は阿部かよ」
🖤「何があったの?!」
💜「えっ、めめ!もう大丈夫なの?!」
不意に現れた俺に驚く声を出すふっかさん。
🖤「いや、阿部ちゃんの危機だから回復どころじゃなくて……」
💜「ちょ、それはさすがにちゃんとしてよ!」
ふっかさんが、笑いつつも慌てた調子で言う。俺の後を追いかけてきたラウールが呆れ顔を浮かべながら、阿部ちゃんの元に寄り添いに向かった。
🤍「めめの勢いが凄すぎて止めれなかったよ……阿部ちゃん、大丈夫?」
🩷「反応なくて……どうしよ、ラウ」
ラウールが阿部ちゃんに手をかざし、軽く手当てを試みる。でも、
🤍「……これは、短時間じゃどうにもならなそうだな」
💛「やっぱそうだよな……」
やっぱり、そう簡単にはいかないようで。
「私の術を舐めないでいただきたい……それには、かなりの魔力が施してあるのですから」
俺たちの様子をずっと見ていたフリーズが口を開いた。
「それにもう、彼はあなた方のことなどお忘れになっていると思いますよ」
💜「……どういうことだよ」
「そのままの意味です。私の術式で、彼は完全にこちら側となっているのですから……“おいでなさい、阿部様“」
フリーズがそう言った瞬間、ピクリとも動かなかった阿部ちゃんがゆっくりと起き上がる。
その目にはもう、輝きはなかった。
💜「あべちゃん……!?」
🩷「ちょ、待ってよあべちゃん!!」
みんなで声をかけても、俺たちの方を振り向くことはない。それどころか、
🧡「あべちゃ……うわぁっ!?」
手を掴もうとした康二に向かって攻撃を繰り出した。言葉を発さなくても、“俺に近寄るな”と言いたいことが嫌でも分かってしまう。
「ふふふ……再びの絶望、ですかね?もう彼があなた方に靡くことなど……」
それでも俺は諦めきれなかった。阿部ちゃんならきっと、心の中でまだ戦ってくれているはず。そう簡単に、奴らの味方になんてなるはずがない……
そう思った俺の体は、無意識に動いていた。
(続く)