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清水隠は、都内の薄暗いアパートに住む若い男だ。生活の糧は詐欺。

詐欺と言っても、派手な手口ではなく、小さな嘘を積み重ねて人々の財布を狙うタイプだ。元はブラック企業で働いていたが、心身を病んで辞めてしまった。

清水はいつものようにターゲットを探して街を歩く。

駅前の喫茶店前を歩いていた、サングラスに少し上品なスーツを着た男に目をつけた。落ち着いた様子からして金を持っているはずだ。

清水は “偶然” を装い、話しかけた。

「すみません、少しお時間よろしいですか? 実は困っていまして…」

だが、その男は予想外の反応を見せた。清水の話を最後まで聞く前に、静かに微笑んでこう言った。

「君、ずいぶんと安い手口だな」

その言葉に清水は背筋が冷たくなるのを感じた。

「えっと…何のことでしょうか?」

「わかるさ。君みたいな人間を何百人と見てきたからね。でも、もし本気で詐欺師を続けたいなら、もっと上手くやる方法があるよ」

清水は言葉を失った。男の目は鋭く、ただ者ではない雰囲気を漂わせている。


喫茶店に入り、男は珈琲を一口飲んで先程の話の続きを始めた。

「俺はヨウ。詐欺師だ。ただし、俺が狙うのは悪人だけ」

ヨウ。名前からして日本人ではないらしい。彼の発音は完璧な日本語だが、どこか異国の響きを感じさせる。

清水が疑問の目を向けると、ヨウはニヤリと笑った。

「俺は中国人だ。日本で少し “仕事” をしている。でも、君みたいにただ金を盗むのとは違う。俺のやり方は…そうだな、正義の詐欺師ってやつだ」

「正義の…詐欺師?」

清水は混乱した。

「俺はね、法律では裁けない悪人たち。詐欺師、汚職政治家、暴力団をターゲットにしているんだ。彼らの弱みを突き、時には社会的に破滅させる。 ターゲットの性格や心理を徹底的に研究し、完璧な計画を立てて金を奪い取る。それが俺のやり方」

ヨウはサングラスの下から優しい目をしたまま、こちらを真っ直ぐ見つめながら話す。

清水はふと疑問に思った。なぜ屋内なのにサングラスを外さないのか。

「どうして屋内なのにサングラスを外さない?」

急な質問にヨウは静かに驚く。

「あぁ。実は俺、目が光に弱くてね。ここはあまり眩しくなさそうだから外してもいいかな」

サングラスを外したヨウの瞳は、ガラス玉のような白色だった。

「にしても、急に話を変えてくるからびっくりしたよ。君…えっと、そういえば名前は? 」

「清水だ」

「清水。君はもっと、スリルのある詐欺に興味はないかい?」

スリルのある詐欺。その言葉に興味を惹かれた。

「ふふ。どうやら興味があるみたいだね。いきなりだけど、俺の詐欺集団の仲間にならないかい?」

「詐欺集団?」

「そう。まぁ、ただの詐欺師の集まりだよ。まだメンバーは0人。君が俺の初めての仲間になるってわけさ」

ヨウは机の上で指を組み、前のめり気味で提案してくる。

詐欺集団という言葉に、清水は更に興味を惹かれた。

「ちょうど今のやり方に飽きてた頃なんだ。その提案、乗るよ。俺を仲間にしてくれ」

ヨウはニヤリと笑う。

「そうこなくっちゃ」

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