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ナリア「着いたわ」
ケール「え?ここ?」
ナリアに案内され着いた場所はナリアの言っていた通りボロボロだった
建物の一部が残っているだけだ。あとはほとんど丸焦げの瓦礫が転がってるだけだ
これでよくまだ一部が残ってるな
ロイス「思ったよりボロボロだな。原型ねぇじゃねぇか」
カズヤ「城って言われてもわかんないね」
ナリア「神の裁きを直で喰らった場所よ。これでも残ってるほうでしょ」
それでこの状態なら奇跡?と言えるのか
生々しいな。今でもこんな形で残ってるなんてな
改めて神の力の威力を思い知らされる
ケール「瓦礫ばっかで探すの大変だね」
ロイス「1つ1つどかすか?」
ナリア「そんなことしてたら日が暮れるわ」
ロイス「じゃあどうするんだよ?」
カズヤ「まずは残ってる部屋から探してみようよ」
大量にある瓦礫を1つ1つどかしてたら何世紀かかるか分からない
まずは残ってる場所から探してみるのがいい
瓦礫のことはその後に考えよう
ナリア「そうね。めんどうなことは後で考えましょ」
ケール「おっけー」
ロイス「わかった」
俺たちは手分けしてかろうじて残ってる部屋の捜索を始めた
瓦礫の中を探すのはめんどうだからこれで見つかってくれ(本音)
ナリア「何か収穫はあった?」
ロイス「何も無かったな……」
ケール「僕も何も無かったよ……」
カズヤ「右に同じく……」
ナリア「みんな無かったみたいね」
ロイスとケールが両手をあげてお手上げといった様子を見せる
みんなって言ってるからナリアも無かったんだな
まぁ俺も無かったけどねー
ケール「ってことは……」
ロイス「瓦礫を1つ1つどけるしか無いな」
ナリア「……そんなことしたくないけどそれしか方法が無いわね」
カズヤ「じゃあ早くさぎょ……」カン
カズヤ「痛っ!!急に何!?」
全員が諦めて瓦礫をどかす作業に取り掛かろうとした時、カンちゃんが俺の頭をつついてきた
痛いな……何だよ急に。急に頭をしばくなよ
カンちゃん「誰か来た」
カズヤ「え?……本当だ」
探知スキルを使うと誰かが俺たちのいる城跡に近づいてきていた
カンちゃんの言う通り誰かが来てる
誰だ?こんな場所に何の用だ?
誰か分から無いし警戒した方がいいな
カズヤ「誰か来た」
ケール「どこらへん?」
カズヤ「南東から誰か近づいてきてる。しかも1人じゃない。複数来てる」
ナリア「敵かしら?」
カズヤ「分からないけど警戒した方が良い」
ロイス「こんなところに冒険者は来ないだろ。あいつらじゃねぇか?」
こんなところにいるやつらなんて災いの騎士くらいだろう
ほとんど敵という見方でいいだろう
ケール「どうする?」
ロイス「敵なら倒しておいた方がいいだろ」
カズヤ「なら、気づかれないように近づく?」
ナリア「バレないように慎重に行きましょ」
俺たちは何者かが来ている南東に向かった
気づかれたら意味がない。ナリアの言う通り慎重に行こう
ナリア「あれかしら?」
カズヤ「あれだね」
ケール「まだ遠いからよく見えないよ」
ロイス「このまま隠れておいた方がいいんじゃねぇか?」
カズヤ「そうだね」
南東に向かい、まだ残っている残骸に身を隠しながら相手を見張っている
だがまだ相手との距離があるためはっきりと見ることは出来ない
ロイスの言う通りここは相手が近づいてくるまで隠れていた方が良い
――――――
ロイス「あの格好、災いの騎士じゃねぇか?」
ナリア「そうね。左手にタトゥー入ってるし確定でいいんじゃない」
ケール「どうする?倒す?」
相手が姿がはっきり見えるほど近づいてきた。近づいてくるまでに右往左往するので俺たちは内心「早く来いよ!!」と思っていた
相手の人数は男2人。そのどちらも左手にタトゥーが入っている。災いの騎士ということでいいだろう
このまま見逃すってのもな……それに2人とも1つしかタトゥーが入ってないから下っ端だろう
今の俺達なら倒せるはずだ
カズヤ「倒しちゃおう」
ロイス「マジか?さっき戦ったばっかじゃねぇかよ」
ケール「僕は大丈夫だけど、カズヤは大丈夫なの?傷治ってないでしょ?」
カズヤ「大丈夫だって。まだ戦える」
ナリア「無理はダメよ。カズヤは見学してて」
ナリアたちは俺を置いて災いの騎士に向かっていった
みんな拠点を潰して強くなったとはいえ不安だな。やっぱり俺も行かなきゃ
怪我はまだ完治してない。ちょっと痛むけどこれくらいなら耐えられる
でも無理は良くないか。なら、みんなにバフをかけておこう
一応、付与魔法取っておいて良かった。使う機会があった
カズヤ「付与魔法・闘神の加護」
ケール「体術強化・剣術強化・月半斬!!」
ナリア「氷魔法・氷柱凍結!!」
下っ端A「うわぁぁぁぁ!!!!」
下っ端B「アァァァァ!!!!」
俺が建物の残骸から出てくる頃には災いの騎士たちは戦意喪失していた
もう終わってる。みんな強くなってるし、付与魔法もあったから一瞬で終わったみたいだ(カズヤ以外レベルは60を突破してます。改めて人物紹介パートを作るべきかもしれない)
災いの騎士の下っ端たちは地面に仰向けになって転がっている。息はあるのか
一応、トドメを刺すか?
カズヤ「トドメ刺す?」
ナリア「もう襲いかかっては来ないでしょ」
ケール「トドメを刺す必要は無いと思うよ」
ロイス「こいつらが何か持ってればいいんだけどなぁ。そうすりゃ災いの騎士も倒せるし目当てのものも見つかる。一石二鳥なのにな」
ロイスの言葉に俺はハッとした
もしかしたら災いの騎士の拠点になら何かあるかもしれない
だとしても異世界の本を大事に保管するかと言われると怪しい
でも瓦礫の中を漁って何も無かったら行く場所が拠点くらいしかない
カズヤ「災いの騎士の拠点になら何かあるかもしれない」
ナリア「言われてみればだけど、また行くの?」
ケール「災いの騎士の拠点に異世界についての本なんかあるかなぁ?」
ロイス「でも、瓦礫どかして何も無かったら拠点くらいしか行く場所ねぇぞ」
ナリア「それもそうね。まず瓦礫の中を探すのが面倒だけど」
ロイス「危険な目に遭うより面倒くさいことして見つかるほうがいいだろ」
ロイスの言う通りだ。拠点に行くということは死にかけるということを意味する
そんなことせずに瓦礫をどかすという面倒くさいことして見つかるならそっちの方が断然良い
ナリアはダルそうな表情を浮かべてるけど仕方ないことだ
ナリア「そうだけど……」
ケール「残念だけどやるしかないね」
ケールが慰めるように言った
ケールの言葉でナリアが渋々納得した
早速取り掛かりたいところだけど、その前にやることがある
カズヤ「先にやることがある」
ケール「やること?」
ロイス「何だそれ?」
ナリア「尋問よ。あいつらに聞かないと拠点の場所、わからないでしょ」
ナリアの説明でケールとロイスは納得した表情を見せる
拠点の場所を聞き出すのに時間をかける訳にはいかない
早く口割ってくれたらいいけど
カズヤ「おい」
下っ端A「は、はい……!!」
カズヤ「お前たちの拠点の場所はどこだ?」
下っ端A「拠点の場所ですか……?」
カズヤ「早く言え。言わないんだったら」パン
俺は寝転がっている災いの騎士の下っ端Aを上から覗き込む
下っ端Aは俺の姿を見ると体をビクッと震わせた
俺は空気銃で下っ端の顔のすぐ横を撃った
下っ端Aの顔はわかりやすいほど動揺し、顔を強張らせ、額から冷や汗がダラダラ流れている
下っ端A「ここをずっと真っ直ぐに行けばあります」
カズヤ「本当だな?嘘ついたら、分かってるよな?」パン
下っ端Aは後ろを向いてずっと先を指差した
この先を真っ直ぐに行けばあるのか
俺は嘘つくなよと言う意味でもう一度、下っ端Aの顔の隣を空気銃で撃つ
下っ端Aはさらに顔を強張らせて首を何回も縦に振る
反応を見る限り嘘では無いみたいだ
カズヤ「おい」
下っ端B「は、はい……?」
カズヤ「この先をずっと真っ直ぐに行けばお前たちの拠点があるんだな?」
下っ端「それは……」
カズヤ「早く答えろ」パン
俺はもう1人の方に近づき上から顔を覗き込む
下っ端Bも俺と目があった瞬間、体をビクッと震わせた
俺の質問に口を濁らすので顔のすぐ隣を空気銃で撃つ
下っ端Bも同じように顔を強張らせて額から冷や汗をダラダラ流す
下っ端B「この先にあります!! だから、命だけはどうか!!」
カズヤ「わかった。寝てろ」ボコ
下っ端Bの反応も嘘では無いみたいだ
本当にこの先に拠点があるのだろう
このままこいつらが起きているのも厄介だし眠らせておこう
俺は下っ端Bにアッパーをクリーンヒットさせた。下っ端Bはアッパーを喰らった瞬間に昏睡した
これでしばらくは起きない。殺してしまうのはありだけど無駄な殺生は避けていきたい
下っ端A「僕もどうか命だけは!!!」
ナリア「うるさいわね。わかってるわよ」ボコ
ナリアが地面を這いながらしがみついてくる下っ端Aにうんざりしながら持っている杖で下っ端Aの顔面を殴った
下っ端Aは杖が直撃した瞬間に気絶し地面に突っ伏した。これでしばらく2人とも大丈夫だ。起きてたらまた寝かせれば良い
にしてもナリアの杖強いな。肉弾戦になっても戦えるの強すぎない?
ロイス「容赦ねぇな」
ケール「杖折れないの?」
ナリア「大丈夫よ。これくらいで折れるほど脆くないわ」
カズヤ「拠点の場所は聞き出せた。じゃあ作業に取り掛かろう」
ナリア「仕方ないわね……」
拠点の場所は聞き出せたので瓦礫をどかして本を見つける作業だ
ナリアが明らか様に嫌な表情してるけど仕方ない
城跡地の瓦礫を全部どかして隅々まで探すなんてどれくらいかかるかわかったもんじゃないけどやるしかないな
何か瓦礫をまとめてどかせることが出来ればいいだけどなぁ
1つ1つどかすなんて非効率だし時間かかるしな。でも、それしか方法ないからな。妥協するしか無いか
肉体作業の始まり始まり……