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無名
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「ふぅ…」ぼくはすっかり疲れて、家の中で座り込んだ。
昨日の夜は予想通りタカシくんのみの参拝。
それで一緒に少し飲み、今日は朝からたくさんの参拝客。
近所はお年寄りが多いからうちの神社は井戸端会議の会場と化す。
その中心には女神様がいる。
「あ、お久しぶりです、お茶をどうぞ」
ぼくも美子もご近所さんにお茶を出す。
護はあまり接客が得意ではないため、その他の雑務を色々と…
「あら、お孫さん今度小学生になるんですね、おめでとうございます」
そう言いながら女神様はお守りをプレゼントしていた、と思ったら次の瞬間には
「来週から検査入院なの?
大変ね、お大事になさってくださいね」
と言いながらお守りを渡す。
全方向と会話をこなす姿を見てぼくは感動を覚える。
そしてお茶を出す。
そしてふと反対側を見ると
「あっちに行かなくていいの?」
「あぁ、オレはああいうのは苦手だ。
こっちで雑務をこなすよ」
タカシくんの初詣、まさかの2回目。
「お疲れ様、今日は忙しかったね」
女神様が言った。
「えぇ、大変でしたね」
美子は疲れてもう寝ている。
「でも、みんな笑顔だった」
女神様はしみじみと言う。
「いいお正月でしたね」
女神様は笑う。
「その言い方じゃもう終わりみたいじゃない。
三が日は参拝客来るよ」
もうすぐ、境内の見回りを終えて護も戻ってくる。
きっと、今年も良い一年になる。
ぼくはそう思った。
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