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「輝くんの気持ちはすごく嬉しいよ。でも、ちゃんと素敵な彼女を見つけて幸せになってもらいたい。輝くんが大切だからこそ、そう思うよ」
輝くんも恭吾さんも……幸せになってほしい。私にとって、心から大切な人達だから。
「……無理な相談ですね。こんなに好きなんだから、忘れられるわけないですよ。ずっと勝手に好きでいるのはいいですよね? 時々、寂しくなるのはわかってるけど、それでも、やっぱり僕は……穂乃果さんが大好きだから」
「輝くん……」
「今、すごく穂乃果さんを抱きしめたいです。許されるなら……」
「……ごめん」
「……本当、うらやましいです。穂乃果さんに好きになってもらえる人。どこの誰だかわからないけど、ものすごくうらやましいです。僕、その人に生まれたかったです」
どうしてこんなにも想ってくれるの?
ただただ申し訳なくて、私はずっと……ごめんなさいとしか言えなかった。
輝くんと別れて、マンションに戻ったら、悠人はまだ帰っていなかった。
玄関の小さな灯りだけをつけて中に入り、真っ暗な奥のリビングのソファに腰を下ろした。
その瞬間、なぜだかわからないけど、自然に涙が溢れ出した。止めることはできなくて、誰もいない部屋で、大きな声を出して泣いた。
悲しいとかつらいとか……そんな涙じゃない。
本当によくわからない。
でもきっと大丈夫、全て上手くいく。
恭吾さんも、輝くんも……絶対に幸せになれるから。
私のために2人のこれからの大切な時間を決して無駄にしてほしくない。
ねえ、お願い……私のことなんて早く忘れて……