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とある某日、私は連日の激務に追われ、ふと休みの日に何かしてやろうと決心したものの、待ちに待った休日だと言うのに遊びに行くということも、ましてやベッドから出ることも困難を極めた。やっとの思いで起き上がり、時計を見あげると、時刻は昼を過ぎ、もう夕方であった。
仕方が無いので、今晩の夕食は豪勢にステーキでも食べようかなふはは、と浮き足立ちでスーパーに向かう途中に、それはあった。高級そうな私のような庶民には、喉から手が出て、そのまま夕日の向こう側へ消えていってしまっても手に入れることができなさそうな皮の黒財布が、無造作にも道のど真ん中に落ちていたのだ。私がそれを拾い上げ、中身を見るとこれまた仰天。夕日の向こう側へ消えて行った私の手が、反対側から戻ってきてしまうほどの現金が詰まっていたのだ!この財布をどうしようかと迷っていると、突然どこからか声が聞こえた。
声がする方へ目を向けると、そこには奇妙にも天使のコスプレをした謎の人物が立っていた。
天使「迷える子羊よ…その財布を警察へ届けるのです。清い行いを、神は見ていますよ…☺️」
「貰ってはダメなのか?」
天使「もちろんです。清い行いをしてください」
「なるほど。」
私は天使の言葉に納得し、早速清く美しく生きていこうと心に決め、そのまま交番へ財布を持っていこうとした。