コメント
1件
颯ちゃん…🥹 ステキな結婚指輪だよ✨💞 うるうるが止まらないじゃないの〜❣️ リョウちゃん10年後の婚約指輪💍が楽しみだね! その頃の2人は…家族が増えてるよかな〜💙🤍ྀི🩷
「間宮良子さん、今日の飯何?俺腹ペコ」
なぜフルネーム?
そう思いつつ、超がつくほどご機嫌で台所へ来た颯ちゃんを見上げる。
「うん…初挑戦で自信ないけどスペアリブ」
「スペアリブ?そんなの買ってたか?」
「今日午前休だったから、颯ちゃんと駅で分かれてからスーパーに寄ったの」
「すげぇ出来る奥さんだ、リョウ。俺は幸せな旦那だ」
私の頬を両手で挟み、手のひらでむにむにと押し潰すように動かした後、颯ちゃんはポケットから小さな箱を取り出した。
「俺も店へ行く前に寄り道したんだ」
そう言い彼が開いた箱の中には、シルバーのリングが2つ並んでいた。
「颯ちゃん?」
「結婚指輪はつけてな、リョウ。正直、婚約指輪は買う余裕がないけど10年で買ってやるから待ってて」
彼はそう言うと私の左手薬指にそっとリングを通す。
「「ぴったり」」
二人の声が揃い顔を見合わせると
「俺、自転車のパーツをあれこれ触っているからか、店でコロコロと何本か指輪を触るとリョウのサイズがわかった」
「すごい…ありがとう、颯ちゃん。嬉しい」
「俺も嬉しい。新婦さん、お願いします」
彼の差し出す箱からリングを取る自分の指に見とれていると、ピーッピーッ…オーブンが停止する電子音が鳴る。
「スペアリブが俺を呼んでる。リョウ、急げ」
颯ちゃんの指にも同じ指輪が光り、互いのそれを何度も見ながら夕食をテーブルに運ぶ。
「見た目はすごく美味しそうだよ」
「うまいに決まってるだろ?ビールかな…1本だけ飲むか」
お酒もお米も、どちらも好きな颯ちゃんは少し迷っている。
とりあえずビールを1本持ってきた彼は、2つのグラスにそれを注ぎひとつを私に持たせると
「「乾杯」」
コツンとグラスを合わせて食事開始だ。
颯ちゃんは迷わず真っ直ぐスペアリブに箸を伸ばすと、いきなり3本皿に取った。
大丈夫かな…私は豆腐となめことネギの味噌汁をすすりながら颯ちゃんを見守る。
颯ちゃんは箸と手でスペアリブを持つと大きくかぶり付いた。