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テラーノベル(Teller Novel)
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小林は後悔の念に押し潰されそうな心境で、重い足取りで部屋を出た。

その時、舎弟の速水が偶然にも彼の前に現れた。


速水はいつものように明るく元気な声で挨拶し、「お疲れ様です!小林の兄貴!」と笑顔で声をかけた。

小林の心には暗い雲が立ち込めていたが、速水の元気な声に少し和らぎを感じた。


しかし、速水には小林の様子が普段とは違うことに気づいた。

彼の目元には哀しみが宿り、元気がないように感じられた。

速水は心配そうな表情を浮かべ、小林に寄り添った。


小林は速水を飲みに誘い、「これから飲みに行こうと思うんだが、今暇か?」とさりげなく尋ねた。

しかし、その声には元気が感じられなかった。

速水は驚きを隠せなかったが、彼の心に近づこうと思い、招待を受けることにした。


いつもなら強引に速水を連れ出し、彼をアルハラすることもあった小林だが、今回は違っていた。

彼はただ速水を見つめているだけで、手を掴むこともなかった。

速水は不安そうな表情を浮かべ、小林の元気のなさに気づいた。


「小林の兄貴、元気がないですね。」と速水は心からの声で言った。

彼は小林の内に秘められた悲しみや後悔を感じ取っていた。

しかし、小林はそのまま取り繕うように答えた。


「取り敢えず飲みに行くぞ。」と言ったが、速水は彼の言葉の奥にある本当の思いを見透かすことができた。

彼は小林の悲しみと真摯に向き合いたくて、彼と一緒に飲みに出かけることを決心した。



小林と速水がバーに行くと、そこは暖かな灯りが煌めき、落ち着いた雰囲気が漂っていた。

彼らはカウンター席に座り、周りの会話やバーテンダーの音が耳に響く中で、静かに時を過ごす。


バーテンダーが笑顔で近づき、小林と速水の注文を聞く。

「お二人は何を召し上がりますか?」と丁寧に尋ねた。

小林はウィスキーを頼み、速水はカクテルを選んだ。


バーテンダーがウィスキーとカクテルを作り出す一方、小林はウィスキーグラスを手に取る。

氷がゆっくりと溶け、鮮やかな琥珀色の液体が眩しい光を反射していた。

小林はグラスを片手でしっかりと握り、温もりを感じる。


彼はウィスキーの香りをかぐと、口に含んだ。

氷の冷たさとウィスキーの芳醇な味わいが彼の舌を包み込み、少しばかり安らぎを与えた。

しかし、その悲しげな表情は一向に晴れることはなかった。


小林と速水の間にはしばらくの間、沈黙が広がった。

しかし、小林が胸に秘めていた感情が限界に達し、ついに口を開いた。

「俺は華太が好きだったんだ」と彼の声は少し震えながらも、はっきりと伝わってきた。


速水は驚きを隠せず、目を見開いて小林を見つめた。

彼は小林の表情や声から、彼の心の内に抱える深い想いを感じ取ることができた。


小林は唇を噛みしめ、眉間にシワを寄せながら泣いていた。

涙が頬を伝って落ちる中で、彼は自分が華太に対して酷い行動をとってしまったことや、自らを酷い人間だと思い込んでいることを告白した。


速水は黙って小林の話を聞き、彼の悲しみや葛藤に寄り添った。

彼は言葉ではなく、深い共感や理解を伝えるために、静かにそばにいることを選んだ。


二人はバーの中で語り合い、心の中の重荷や思いを共有した。

時間が経つにつれ、気持ちの整理がつき始め、少しずつ心の奥に光が差していくと感じた。


そして、バーの閉店時間が近づいた。

幾度かの乾杯と静かな笑顔を交わしながら、小林と速水はやっとのことで少しだけ心が軽くなった気がした。


閉店時間になり、小林と速水はバーを出ると、冷たい空気が身にしみる。

彼らは肩を寄せ合って、寒さを和らげながら歩いていった。


すると、速水がポケットから何かを取り出し、小林に見せようとした。

速水の顔が赤く染まっているのが分かり、小林は興味津々で彼の手を待った。


速水は照れくさそうに笑いながら、手に握っていたチケットを小林に見せて言った。


「小林の兄貴、俺とスイパラに行きませんか?気分転換になると思いますよ。」


小林は初めは戸惑いを感じたが、速水の優しさと彼が自分を思ってくれていることに心が温かくなった。

彼は速水の頭をやさしく撫でた。


二人はお互いの手を握り合い、喜びに満ちた笑顔でスイパラへ向かうことを約束した。


待ち望んでいた日がついに訪れた。

小林と速水は、予約していたスイーツ店「スイパラ」にワクワクしながら足を運んだ。

スイパラは外観が可愛らしく、明るいカラーパレットとキュートなデザインが特徴で、入ると女性客が多いため、まるで可愛らしい女子のパラダイスに迷い込んだような雰囲気が漂っていた。


小林と速水の姿が店内に現れると、周囲の目が二人に集まった。

小林は抜群の高身長とイケメンなルックスを持ち、筋肉質な体格がさらに彼の存在感を引き立てていた。

速水は童顔で愛らしさに溢れ、女性たちから注目を浴びていた。


店内には魅惑的なスイーツが数多く並んでいた。

ケーキ、プリン、カヌレ、シュークリーム、エクレアなど、どれも美味しそうで目移りしてしまうほどの品ぞろえだった。


小林は興奮気味に速水に尋ねた。

「速水!全部食べていい?」


速水は小林の笑顔にキュンときて、微笑みながら答えた。

「全部食べられますかね?こんなにたくさんのスイーツですよ。」


小林は明るく言った。

「速水、俺を舐めるなよ!」そして、彼は早速店内のスイーツディスプレイを見て、自分の目に留まったスイーツを選び始めた。


小林は次々と美味しそうなスイーツを選んで口に運んでいった。

速水は小林の食欲旺盛な姿に驚きと可愛らしさを感じていた。


しかし、小林はスイーツを食べるうちに、口の周りにクリームが付いてしまった。

速水は微笑みながら言った。

「小林の兄貴、クリームが付いてますよ。」


小林はにっこり笑ってクリームを拭った。

速水はその仕草にキュンときて、小林をますます可愛いと思った。


小林は次々とスイーツを平らげていった。

周囲の人々は彼の食欲に驚きの目を向けていた。


すると、店員が小林に近づいてきて厳しい口調で言った。

「お客様、出禁です。」


速水は店員に謝った。

「すみません、彼はちょっと興奮してしまって…」


しかし、小林は満足そうな顔を浮かべていた。

小林はたくさんのスイーツを心ゆくまで味わえたことに喜びを感じていたのである。


小林と速水は満足そうな表情を浮かべて店から出てきた。

小林は一目散に歩いていき、速水は彼に追いつくために急いでいる。

二人は店の外に出ると、小林は満足そうに微笑んだ。


小林が立ち止まると、速水は驚いた表情を浮かべ、彼が何かを見つけたのかと興味津々で目を奪われた。

小林は速水の方向を指差し、興奮気味に言った。

「速水!ゲーセンに行こう!」速水は驚いたが、小林の笑顔に釘付けになり、彼に引っ張られてゲーセンに入った。


ゲーセンに到着すると、小林と速水はパンチングマシーンの前に立った。

小林は大きく息を吸いながら、次から次へと笑顔でパンチングマシーンを眺めている。

速水は小林の表情に興味津々で見つめ、彼のやる気に感化された。


小林は決意を胸に、コインを握りしめてパンチングマシーンにコインを入れた。

マシーンは堅牢な外観を持ち、強靭な体勢で闘志を湧き立たせている。

小林は自分の一撃でこのマシーンを倒す覚悟を決め、自信に満ちた表情を浮かべた。


小林は落ち着いて右手をゆっくりと振り上げた。

その瞬間、小林の腕は静止状態から猛スピードで突き出された。

パンチは空中を切り裂き、マシーンに向かって一直線に進んでいった。

その衝撃波は地面に響き、まるで雷鳴が轟くような音を奏でた。


小林の一撃と同時に、マシーンもその力を受け止めた。

マシーンは小林のパワフルなパンチによって揺り動かされ、部品がバラバラに散りばめられた。

金属音が響き渡り、マシーンは解体される様子が目に映った。

一瞬の間に小林の一撃がマシーンを粉砕してしまったのだ。


口を開け、言葉が出てこない小林の表情が混乱と驚きを物語っている。

速水は小林の反応に気づき、青ざめて「やばい、完全に壊しちゃった…」と心の中で叫んだ。

彼は壊してしまったことの責任を感じ、慌てて店員が駆け寄るのを待った。


店員と焦った店長が小林と速水に向かって駆け寄ってきた。

店員は心配そうな表情で聞いた。

「お客様、お怪我はございませんか?」 小林と速水は驚き、目を見開いたが、同時に安堵の表情も浮かべた。


速水は申し訳なさそうに、店員に向かって言葉を口にした。

「ごめんなさい。壊してしまって…」 小林と速水は怒られる覚悟をしていたが、店長の微笑みに心がほっとした。


店長は親切な笑顔で二人に言った。

「正しい使い方なので大丈夫ですよ。誰も怪我はしていませんから安心してください。」


小林は安堵の表情で店長に頷いた。

店長は目を輝かせながら小林を見つめ、興奮気味に言った。

「すごいですね!あなたのパンチ、本当にすごいんです!これは記念になりますよ!」 小林は少し照れくさそうにしながら微笑み、店長の言葉に感激した。


小林と速水はゲーセンで一緒に遊び楽しんだ後、笑いながらゲーセンを後にした。

小林は幸せそうな顔をしていて、その笑顔は速水を魅了した。

速水は心から小林に感謝しながら、小林に向かって「速水、本当にありがとう。今日は本当に楽しかった。」と心から言った。


それを聞いた小林は照れながら微笑み、感激の気持ちが胸いっぱいに広がった。

小林は速水に対して深い感謝の気持ちを抱き、速水の存在が自分の人生を豊かにしてくれたことを認識した。


速水は小林の魅力的な笑顔にさらに惹かれ、小林の微笑む顔や可愛らしい顔を見るたびに、心が温かくなる感覚を覚えた。

小林の笑顔を見るだけで、速水は幸せな気持ちに包まれた。


そこで、速水は何か特別なことをしてあげたいと思いついた。

速水は小林を観覧車に誘い、一緒に空高く舞い上がる体験をさせてあげたいと考えた。

観覧車の上から景色を一緒に眺めながら、さらに特別な時間を過ごすことができると思うと、速水は心から喜びを感じた。


小林に観覧車への誘いを告げる前に、速水は小林の可愛く微笑む顔をもう少し見ていたいと思い、そのまま二人は観覧車へと向かった。


小林は速水と一緒に観覧車に乗ることに決めた。

観覧車の上から広がる美しい夜景に、小林の心は和まれる感覚を味わった。


夜景は高層ビルがきらびやかに光り輝いており、まるで幻想的なイルミネーションのようだった。

光の点々が夜空に広がっていく光景に、小林は見とれてしまった。


小林は感嘆の声を漏らした。

「夜景綺麗だな。」その言葉を聞いた速水は、小林の横顔が不意に美しさを増しているように感じた。

彼は自覚した。

心の中で小林に対する思いが強くなっていくのを。


勇気を振り絞り、速水は小林に特別な言葉を告げる決意を固めた。

「兄貴のほうが綺麗です。」優しさに溢れる声で、速水は言った。

この言葉を伝えることで、速水は自分の気持ちを小林に示そうとしていた。


小林は驚きを隠せなかった。

彼は速水を見つめながら、自分の顔が赤くなっていることに気づいた。

その瞬間、小林の心の中には嬉しさと照れ臭さが入り混じり、小林の表情には明らかな恥ずかしさが現れていた。


小林は恥ずかしそうに言った。

「そんなことない。」


速水は席を立ち、小林の隣に座る決意をした。

彼は小林に近づき、胸の中に高まるドキドキを抑えきれなかった。


そして、速水は小林の頬にそっと手を添えた。彼の手は温かく、そのぬくもりが小林の心を包み込んだ。

小林の顔は一層赤みを帯びた。


その瞬間、速水は気持ちを伝える覚悟を決めた。

優しい声で彼に向かって言った。

「今日、ずっと兄貴のこと可愛いって思っていました。ケーキを頬張るところも、全部可愛い。俺が小峠の兄貴のことを忘れさせてあげる。俺が兄貴を支える。兄貴が好きだ。」


その言葉に小林の目からは自然と涙が溢れた。

小林はその瞬間、喜びと感動で胸がいっぱいになった。


その時、小林は速水の胸に思い切り抱きついた。


速水は、小林の力強い抱擁により、小林の雄ぱいに押しつぶされる感覚を味わった。

このまま強く抱きしめられることで速水の興奮は高まっていく。


速水の頭の中では、小林の雄ぱいの存在がとても大きく感じられていた。

「小林の兄貴の雄ぱいだ」という思いが、速水の心を駆け巡る。

想像を超える刺激により、速水は興奮がピークに達し、その表情からは興奮した様子がうかがえた。


一方、小林は速水の生温かな息が胸をくすぐるような感覚をもたらし、思わず大粒の涙が零れ落ちた。

小林の涙が速水の頭に当たった瞬間、速水は小林に視線を向けた。

小林の顔を見ると、速水は驚きと同時に、小林をとても可愛いと感じた。


小林の顔には赤みが広がり、少し色気を感じさせる表情が速水をときめかせた。

小林は涙を流しながら、「速水。俺って怖い?」と口にした。

速水は優しく微笑んで、思わず答えた。「はい!可愛すぎて怖いです。俺の理性が保てないくらい怖い。というか可愛い」と。


小林は速水の頭をグチャグチャになで回すと、深い感謝の気持ちが込み上げてきた。

二人の間には、この一瞬の幸せがより深い絆を生み出すこととなったのである。

終わり。

この作品はいかがでしたか?

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コメント

1

ユーザー

なんか…涙がでそうぬりました、速水くんが優しい(T_T)そして可愛いじゃないですか😭

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