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「それよりも、愛。兄貴は無事なんだろうか」
「あぁ。無事だ。なんなら前よりもマシな生活を送っている」
愛のその言葉を聞いて俺は心底安心した。
「ナチス・ドイツは旧国となって生きている」
「良かった。二人とも、生きてた。良かった」
俺はどうしようもなく、ただ、ただ、「良かった」の一言しか言えなかった。
愛はそんな俺を優しい眼差しで見つめていた。
「独、ここまでわざわざ来たということは、何か困り事があるんだろう?私に話してみろ」
優しい口調で愛はそう言った。俺はまるで魔法にかけられたみたいに、話し始めた。
主が二人で、しかも、クソビエトとクソリカ に連れていかれた事、俺の分身が二人出来て、それぞれに付いて行った事、愛に今までの事を全部洗いざらい話した。
「大変だったな。お疲れ様」
愛は俺の事を労るように、子供を慰める時みたいに優しく俺の頭を撫でた。
「独、お前はまだまだ未熟だ。此処で暫く鍛錬を積むと良い。その間は此処で暮らせ。私が直々に鍛えてやろう」
口元を緩ませてそう言ったかと思うと最後の一言は、ニヤリと笑いながら言った。ちょっと嫌な予感もしたが、俺は強くならなきゃいけない。主達を護れる様に。その為には愛の協力が不可欠だ。
「此処までして貰っちゃぁ、頭が上がらねぇじゃねぇか。宜しく頼む!」
俺はそう言って、勢いよく頭を下げた。
「此方こそ」