渚ちゃんはしばらく私の言葉を理解するのに時間が掛かったらしく、黙っていた。
多分私は間違ったことは言っていないと思うんだけど……。分かりにくかったのかと思い、私が口を開いたタイミングで、渚ちゃんはやっと話し出す。
「ごめんなさい。今までそんな考え浮かびもしなかったから」
「そっか」
「大切にしてるって実際に言われても、人によってその言葉の意味や重さって違ってきますよね」
「えっ?」
「大切なら自分以外と話さないで、大切なら浮気なんて許して。大切なら、早く抱かせて」
「な、何言ってるの渚ちゃん」
「今まで大切って言われた経験を思い出して、花木さんの大切はどれなのかなって……」
「っ」
こんなに素直な子に対して、今まで付き合ってきた男達は、なんて最低なことを強要していたんだと虫唾が走る。
大切という言葉をつければ、何をさせてもいいと思っているの?というか、渚ちゃんはそれに**************
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