テラーノベル
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風呂から上がった後、二人は宿の豪華な夕食を堪能していた。
野菜の和え物や魚のお造り、すまし汁、和牛のステーキなど、見ているだけで腹がいっぱいになりそうなメニュー。
拓人は、自分が追跡されている事を、すっかり忘れてしまいそうになる。
時間を掛けて、ゆっくりと味わった後、二人は寝室へ向かった。
淡いグレーを基調とした、明るくも落ち着いた雰囲気の部屋は、和紙で覆われた球体の明かりが温かみを醸し出し、市松敷きの畳、シングルのローベッドが二つ設置されている。
ベッドの間にも、和紙で包まれた、縦長のベッドサイドランプが備え付けられていた。
優子が、窓際にあるベッドに腰を下ろすと、拓人は後ろから抱きしめながら、頸に唇を這わせ、胸を弄る。
「なぁ……抱かせてくれるよな?」
女の耳朶を舌先で舐めしゃぶりながらも、彼の手は優子の浴衣の襟元に手を掛ける。
大きく開き、上半身を曝け出させると、双丘を揉み上げながら、背骨に唇を伝わせた。
「もうっ…………アンタといると……セックスばっかりっ……」
「あんたの身体…………抱き心地がいいんだから、しょうがないだろ……」
彼は体勢を変え、ローベッドの上で女を縫い付けると、覆い被さり、見下ろした。
眼差しが絡み合い、黙ったままの二人。
暗黙の了解のように、拓人が優子の唇を塞いだ。
互いの浴衣が着崩れたまま、彼は女を求め、優子も拓人に応えた。
没頭するように滑らかな身体を堪能し、声を上げさせ、欲望を突き貫く拓人に、優子は喘ぎ声を上げながら、快楽に堕ちていく。
だが、彼に抱かれながらも、優子が不意に寂しげな表情を覗かせる事があった。
女が見せる憂いだ面差しの原因は、拓人も何となく分かっている。
(この女の胸中には……)
彼は顔を顰めた後、消し去るように、かぶりを振る。
「なぁ。俺を見ろよ。俺に抱かれている事しか……考えんなよ……」
灰色に濁った表情を優子が見せるたびに、拓人は腰を激しく振り上げ、肉槍を狂気に満ちたように突き刺す。
女の中に、何度も欲望を解き放つと、優子が気を失うまで、拓人は抱き潰した。
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