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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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俺は皇様を殺した。しかし、そのときはまだ、彼が皇様だとは知らなかった。

ただの一般人だと思ってた。まさか、あのVtuber、皇様(すめらぎ サマー)だったなんて、あの瞬間に気づくはずがなかった。

あの日、俺は街で見かけた女性に目が留まった。背が高くて、派手な髪色に奇抜な服装、目立つ存在だったけど、ただの女の子だと思っていた。いや、どこかに見覚えがあるような気もしたが、思い出せなかった。ただ、なんとなく気になって、目を離せなかった。

その理由が何だったのか、今ではよくわからない。ただ、彼女が目の前にいると、何かが突き動かされるような気がした。

そして、何も考えずに行動してしまった。

「よいしょと。」

軽い気持ちで、思い切って近づいて、手に持っていたそれで一突きした。目の前の女性が倒れた瞬間、俺はすぐに後悔した。だが、それでもそのときはまだ、彼女が誰かなんて気づきもしなかった。

逃げた。だって、だれもが俺のことなんて気にしないと思っていたから。

そして数日後、その報道を見たとき、俺は初めて気づいた。

「皇様、死亡」

どこか遠くで、ひときわ目立つニュースだった。

俺の推し、皇様が…殺された?いや、待て、俺がその犯人?どうしてこんなことに…?

死亡報道の中で、詳細な情報がどんどん明かされていった。

「すめらぎ サマー、大人気Vtuber死亡。犯人逃走中。」

一瞬、頭の中が真っ白になった。まさか、あの女性が皇様だったなんて。

「犯人は未だ捕まらず。追跡中。」

俺の心臓が一気に早く打ち始めた。これ、やばい。こんなことになるなんて、全く予想だにしていなかった。

「俺がやったのか?」

ようやくその事実に気づいたとき、震えが止まらなかった。もう遅いんだ。何も考えずにやったことが、重くのしかかっている。

報道が続く。

「皇様の命を奪った犯人を追うファンたち」

やべえ、追ってくるのはメディアや警察だけじゃない。ファンだ。700万人のファンが俺を見つけ出すんだ。奴らは何が何でも、皇様を取り戻すために動く。あいつの推しだった、俺を。

「まさか、こんなことになるなんて…」

背筋が寒くなった。俺がやったことが、どれほどの衝撃を与えたのか、今さら知っても遅い。でも、その時にはもう、もう誰も助けてはくれない。

俺はただの「犯人」になっていた。

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