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街から離れた少し薄暗い路地裏にて…
市民1「ぐえっ!」
ここでは毎日市民が物を略奪されたりしている
そして今日も
部下「ボス、今日も大漁ですな」
「当たり前だろ?おや…」
奪われた市民が持っていた新聞の記事の見出しに大きく書かれている文字がある
その人物は新聞を奪い取り、見る
「日帝が保安連盟を脱退…へぇ、友達になれそうだな」
場所は変わって会社「満洲国」本部…
自分の言いたいことは言い切ったとはいえ今回の件で完全に街の人々を敵に回した
今は孤立状態なのである
満洲「どうするアル日帝!もう…勝手なことしてくれて」
日帝「だが逆を言えば何をしてもいいということだ。今までは奴らのせいで制限されたことがあるからな…」
満洲「で…なにするつもりアル?」
日帝「そうだな…お前を正式な清の後継にするために中華民国を始末しようか…」
満洲「待て待て待てアル!!」
普段聞かない日帝の過激な発言に制止を加える
満洲「なんでそんなことになるアル !こんなの
絶対おかしいアル!」
日帝「ごちゃごちゃ五月蝿い。
俺が保安連盟にいた数十年間、味わって来た苦しみも知らぬくせに」
完全にブレーキが効かなくなった暴走機関車の
ように、ペラッペラと日帝は喋り続ける
日帝「今の私を邪魔するものは何人たりとも許さない…それがお前でもな」
冷たい視線が満洲に向けられる。満洲は恐怖のあまり慄く
日帝「だが孤立した中で仕掛けるには無謀すぎる。まずは味方をつけなければならない」
満洲「味方って…いるの?」
日帝「無論。彼等は裏の人間だがな」
大恐慌が起きて以来、街の人々は失業に苦しみ
ホームレスになる人も増えた。しかしそんな中
彼等のために動いている「悪党」がいた
ナチス(以降卍)「ほら、約束のブツだ」
ホームレス「あ、ありがとうございます!ナチスさん!」
卍「困ったらいつでも頼れよ?」
彼が率いる「ナチス党」は大恐慌で苦しむ人々を救おうと発足した組織。だが活動は野蛮的で
富裕層の物を略奪し、貧困層へと渡すものであった
街の警察は彼等を問題視しているが、大量の兵器を持っているとされ、中々手出しできないという
卍「次のターゲットを教えてくれ。イタ王」
イタ王「次はα通り3丁目15-15の家々を襲ってものを奪うんね。奴らは沢山の食料や日用品がある」
卍「了解。さぁお前ら!もうひと仕事だぜ」
部下達「おぉー!」
満洲「悪党…」
日帝「奴らを味方につければ保安連盟も動きにくくなるだろう。そうなればこちらの勝ちだ」
満洲「保安連盟の意味って…」
日帝「嘆くな、今は弱肉強食の世界なんだ。
大不況はまだ終わってない。身体的に、社会的な弱い奴から淘汰されてく。こうでもしないと
…俺たちは生きていけない」
数日後、ナチス党の地下本部に一通の連絡が届いた。宛先はあの日帝からであり、急遽あって欲しいとのことだった
卍「…ついに来たか!」
イタ王「日帝とは数年ぶりに会うんね!どんな姿か楽しみなんね!」
すぐさま返事を送った。日帝が本部に来たのはその日の夜中だった
日帝「失礼する」
一礼した後、静かにドアを閉める。
ナチスに案内され、椅子に座る
卍「俺はナチス。この党のリーダーだ」
イタ王「ioはイタリア王国!ioのこと覚えてるんね?」
日帝「えぇもちろん。ピザが好きですよね?」
イタ王「覚えてて嬉しいんね!(日帝にハグ)」
卍「(咳払い)それでは本題に入ろうか。なぜ貴殿は我々と協力することを決めた」
日帝「簡単なことだ。私の目指す世界とお前達
の行動目標が近かったからだ」
卍「ほぅ…貴方は中華民国をめぐって連盟を脱退したそうだが貴方の目指す世界とは?」
深く息を吸った後
「私はいずれ中華民国を倒し、清の正当な後継になるつもりだ。それだけでなく、欧米に支配されているアジア系の会社を解放し、我々で
大東亜共栄圏という大きな経済支配権をつくるのだ」
簡潔ながらも壮大でより現実味のある話に2人は圧巻される
続いてイタ王が何故そこまでやる必要があるのか質問した。すると
「アジア系の子会社は欧米から酷い仕打ちを受けているとの噂を聞く。私はそれが嫌でたまらない。私の手で、保安連盟に代わる新しい秩序を作り上げる必要があるのだ。そのために、
君たちの力が必要なんだ」
卍・イタ王「………!!」
卍「君の心意気には深く感心させてもらった。
我々と共に、新時代を築き上げよう」
日帝「はい、これからよろしくお願いします」
3人は深い握手を交わした。そして今ここに、
日、独、伊の三強同盟が誕生したのだ
この同盟成立は保安連盟を大きく騒がせた
なぜならこれは日帝が保安連盟を脱退して数ヶ月の間に起こった出来事であったからだ
🇫🇷「そんな…日帝のやつ、裏社会と繋がりやがって…」
🇬🇧「なんで…なんで…」
どんどん遠ざかり、見えない方向へと突き進んでいく最愛の人の様子にイギリスは脳の整理が追いつかない
ユ「まずいぞ…奴らが再び…列強大戦のようなことを起こされたらたまったもんじゃないぞ」
ソ「それこそ、この街の終焉だ」
🇫🇷「皆、怒りや悲しみの気持ちがあるだろうけど、冷静に。戦争だけは回避するんだ
そのための連盟なんだから」
🇹🇼「ああ。なんとかして奴らを止めないと」
しかし彼等の思惑とは裏腹に三強同盟は暗躍し始めた
まず、ヴァイマルが弟のナチスに強制的に追放された
理由はヴァイマルは主としての義務を果たしていないというこじつけだった
そうしてドイツ一族の権限はナチスが握るようになった。
さらに、親戚のオーストリアの会社を買収した
イタリア王国は隣町のマフィアから武器を大量購入。着々と軍事力をつけていった
ナチスの強欲は止まることを知らず、オーストリアを買収した後、同じくチェコスロバキアを
買収するよう動き出した
チェコスロバキアは勿論これに対して断固反対
ナチスは保安連盟に訴えた
会議にはナチス、イタ王、イギリス、フランスと当事者なしの会議であった
ナチスやイタ王との紛争を回避したかった英仏はもはや 弱腰状態であり、簡単に買収を認めてしまった
これにより、三強同盟は保安連盟に及ぶほどの経済権を持つようになってしまった
そして、日帝は…
🇹🇼「犯罪者が。何か用か?」
およそ数ヶ月ぶりに中華民国の会社を訪問する日帝
日帝「せめてもの別れの挨拶をせねばならんとな…」
🇹🇼「別れか。お前みたいな侵略者に言われる筋合いはないがな」
三強同盟は今やこの街の大きな脅威となってしまった。その圧倒的な軍事力により保安連盟でさえも手出しを出すことができなくなった
街の人々は大きなカリスマを持つナチス達に
支持を集めるようになった。彼らの真実は知らずに
🇹🇼「さっさと言え。俺はお前と同じ空気を吸いたくないんだ」
日帝「嗚呼、私もだ。だがその苦しみも今終わるぞ」
🇹🇼「どういう意味だ」
日帝「こういうことだ」
ズバッ
気づいたら斬られていた。それも深く
目の前が真っ赤になる。そして襲いかかる激痛
倒れ込むも必死に日帝を見つめる
彼の刀は紅に染まっており、液が滴る
奴は俺のことを…見下し…
🇹🇼「何故だ…何故だ!」
日帝「すまぬな。私の計画の為に必要な犠牲だったのだ」
🇹🇼「クソ…!クソォォ!」
必死に這いつくばり、日帝の足にしがみつく
依然と変わらぬ冷酷な、でもどこかあわれんでいる目でこちらを見ている
こちらの鬼の形相に応える気もないように
🇹🇼「こんなことをしておい…ガハッ。
許されると思うな…」
日帝「……。」
🇹🇼「いつか…その体を持って…報いを…受ける日が来る…!かな…ら…ず…」
その言葉を最期に彼は事切れた
静寂に包まれた一室。鉄の匂いが充満している
真っ赤に染まっている剣を拭き、鞘にしまう
「…報い、か。さて、次に進むとしよう」