1番苦しかったんはやっぱり発情期の時やった。後天性Ωの発情期は不安定で、しかも重かった。抑えるための薬を何回も何錠も飲んどった。医者からは止められたけど、俺はバレるわけにはいかんのや。の一点張りでなんとか抑えていた。
やけど薬の副作用はひどくて。目眩や酷い頭痛がして、1日に何回も吐いた。生放送の時は発情抑止剤に足して副作用を抑える薬も飲んでいっとった。
それでもキツかった。デビューしてからはもっと気をつけなあかんくて、倒れそうになるし、顔色は悪いし、いつもメンバーが声をかけてくれた。その度になんでもないって嘘を付くのは心が痛かった。
あの日からプライベートではめめと話しとらん。めめから連絡も沢山来たし、楽屋でも話したそうにはしとった。
でもダメなんや。だって、めめはαやから。
Ωの俺が近くにおったらバレるかもしらんって思って、ずっと避けとった。
それが1番辛かったんかもしれん。
…おれは、ずっとめめが好きやった。
βだったから諦められたのに、今更Ωやって言われて、でも期待出来るような身体じゃなくて。
毎日毎日泣いた。
そんなある日めめと泊まりでのロケがあった。断りたかったけど、めめが受けたいって言うからしょうがなくOKした。そん時俺は油断しとった。前の発情期が終わって1週間ぐらいやったから。
部屋は同室で、手違いでベッドが一つだけになっとった。俺はソファで寝るって言ったけど、めめはそうさせてくれんかった。
部屋に入った時、めめはなんか甘い匂いしない?って言っとったけど、俺は全然聞いとらんかった。
そのせいであんな事になるやなんて、思わんかった。
いよいよ寝る時間。おれはめめの方とは反対の方向を向いて寝とった。疲れとったし、少し身体がだるいような気もしてたからすぐ寝れるやろうなと思とった。
そしたら急に身体があつくなって、
あかん、これ発情期や。
そう思った。慌てて薬を探しに飛び起きてバッグを探る。予備に入れとった薬があるはず…と思ったけど、出てくるのは空の袋ばかりで。
その間にもどんどん苦しくなっていって。
蓮『…康二?』
俺が隣に居ないことに気づいためめが起きて、ベッドの上で座ったまま固まっている。
そりゃそうや、こんな部屋中に匂い振りまいとったら気付くよな。
めめには見られたくなかった。最初の時もこうやったんかな、なんて思うと同時に苦しくて涙が伝っていった。
だんだんと頭が回らんくなっていって、床に突っ伏したままただただ耐える。いつの間にか自分のソレも反応していて、嫌悪感を覚えた。
めめがこっちに駆け寄ってくる足音が聞こえる。
康二『近付かん、といて…っ』
必死に声を絞り出す。近付いたらあかん。αがΩに対する本能に耐えられるはずない。めめにそんなことさせたくない。
近付くなっていう言葉が聞こえてないんかなっていうくらい、めめは止まらんかった。そして、俺を
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