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🇳🇱「江戸!」
手紙を渡した瞬間、彼は江戸の家へと僕を連れて走って行き、勢いよく襖を開けた
江戸「来てくれたんだな…オランダ…」
🇳🇱「江戸…ごめんな。お前を…治すことが出来なくて…」
江戸「お前のせいじゃない…人は皆命尽きるもの。私が早かっただけだ…」
弱々しく手を伸ばす江戸をオランダはがっちりと握る
江戸「オランダ…愛してるぞ」
🇳🇱「俺もだよ…ウッ江戸…」
江戸「それと日帝…」
「はい」
「この日の本の…行く末を…任せた」
日帝「っ…はい!」
彼がその言葉を放った直後、オランダを握っていた左手が床についた
彼は天へと昇ったのだ
日帝「父上…」
個室で1人、父親が残した遺言書に目を通している
日帝「父上…見ててください。必ずや、必ずや
この家を守り切ってみせると」
「Δ大学より来ました。日帝と申します。
今日よりよろしくお願いします」
あれから数十年。若い社会人になった日帝は
会社に採用された。その会社とはーーー
「社長の**清アル。**日帝、よろしくアル」
固く握手を交わしたその男はかつての江戸の同僚。清であった
清「我の頼もしい仲間を紹介するアル。まずは
朝鮮、ベトナム、ビルマ、タイアル」
彼らは息ぴったりとお辞儀をする
清「朝鮮に関してはお前と同年代アル。励むよろし」
日帝「はい!」
早速仕事に取り掛かろうとしたその時ーー
部下「社長。また列強諸国から問い合わせが…」
清「またアルか?しつこいアルねー…」
日帝「どういうことですか?」
🇻🇳「秘密だけど、ウチの会社はすっごい保守的なの。でも周りの会社達がいろいろ干渉してくるんだよね。彼らは自由主義でねー…」
清「日帝」
突然声をかけられビビる日帝
清「お前に最初の任務を与えるアル。列強の会社に行ってこい」
日帝「…はい?」
初日からきつそうな仕事を与えられ、困惑する
清「そう悩むなアル。ただウチは貴方達と統合する気はないと言うだけアル」
日帝「…しょ、承知しました」
清から列強の会社の地図を受け取り、すぐに部屋を出て行った
朝鮮「社長…大丈夫なんですかね?」
清「何言ってるアル。若手にはまず社会経験を積ませることが大事アル」
ビルマ「俺らもそうだったろ?」
タイ「応、それにあいつ、頼もしそうな顔だったし」
与えられた地図を元に走っていく日帝
夏の日差しが差し込み、汗が流れる
しかし彼の心は生き生きとしていた
初日にして重大な任務。絶対に果たすとーー
日帝「高っ…」
それは初めてみる景色だった。摩天楼のような
ビル。自分の会社よりもはるかに高かった
そして前に2人いる警官。世界が違った
日帝「あ、あのー…私清の会社の者なんですけど…」
警官に話しかけるとトランシーバーを取り出し、連絡をとり始めた
警官「入ってすぐのロビーで待ってろ」
指示に従い、ふかふかのソファで待つ日帝
すると奥から話し声が聞こえた
心構えをする日帝。そして目に映ったのはーー
🇬🇧「おや、彼が清の代表ですか?」
🇫🇷「随分とちっこいねー」
ロ「絶対新入りだろ」
ドイツ帝国(以下ド帝)
「こんなやつに任せるとか頭いかれてんな」
イタ王「ちっちゃくて可愛いんね!子供みたい!」
墺「ふーん…」
背丈の高い人々がこちらに向かっている
今まで会ったことのないタイプの人々にただ日帝は眺めることしかできなかった
彼らはどっしりとソファに座る
🇬🇧「初めまして新入りさん。ここまではるばるご苦労さんです」
🇫🇷「前置きは置いといて、僕たちは列強連合
沢山の会社の社長が集まってる理事会みたいなもんだ」
ロ「まぁ実質この街の権益は俺らが持ってるってことだ」
次から次へと来る情報。もはや宇宙猫状態である
ド帝「まず君の名前を聞こうか」
日帝「えっと…私は…日帝って…いいます」
イタ王「恥ずかしがらなくていいんね!ほらぴっつあ食べる?」
どこからともなくピザを取り出すイタ王
墺「おいおい、こいつはあの引きこもりの江戸のせがれだぜ?そんなもの知らないぞ」
日帝「貴方…今なんて言いました?」
さっきのオドオドした表情から一転、彼の目が怒ってるように見える
墺「いやー…引きこもりが悪かったか…」
日帝「父上のことは侮辱しないでいただきたい」
🇬🇧「(咳払い)失敬、それでは本題に入りましょう」
🇫🇷「僕たちはね、決して君の会社を乗っ取るつもりじゃないんだ」
ド帝「お前のとこの会社は大企業なんだ。それなりの営業成績もある。だから俺たちと一緒にさらに発展しないかってとこなんだ…」
ロ「いいよな?」
笑顔で日帝の肩を叩くロシア
墺「おいロシア。ビビらせんな」
正直彼らのことはよくわからない…でも一つ言えることがある
彼らには絶対表の裏の顔がある
彼らが怖い。でも清社長のためにも…ここはやらないと言わなければならない
ロ「おいどうすんだ?はっきりしない男は嫌いだよ」
大きく深呼吸し、
日帝「はっきり言わせてもらうと、
私たちの会社は貴方達と協力する気は一切ありません!」
言ってしまった…でもこれでいいんだ。こうすれば清社長も喜ぶはず…
🇫🇷「成程…承知した…って素直に納得すると思った?」
日帝「へ?」
ド帝「悪いが、俺達はお前らを下に見てる」
ロ「正直イラついてたんだよ…さっさと従わないお前らの会社にね」
イタ王「僕たちはね、目的のためなら手段を選ばないんね!」
さらっと危ないことを吐くイタ王
そして彼らの目つきが獲物を狙う獣の目に変わり始める
墺「俺たちよりも多い利益を持ってる清を逃すわけにはいかないんだよね…」
ロ「決まりだな」
彼らは立ちあがり、ロビーを出て行こうとする
日帝「ど、何処へ!?」
🇫🇷「力づくであいつに従ってもらう」
日帝「は!?そんなことが許されるとでも!?」
墺「お前は知らないだろうが… あの事件以降、
**この街は変わっちまったんだ。**力の支配をする奴が増えて行った。そこで俺たちは奴を力で従えた」
イタ王「目には目を、歯には歯をってやつね!」
日帝「待て!うっ…何をする!」
やってきた警官に取り押さえられる日帝
ロ「俺たちは列強。何してもいいんだよ」
そう言って彼らはロビーを出て行った
日帝に見向きもせず
日帝はその後、その会社の部屋に押し込まれた
その日のテレビのニュースで列強達が清の会社を脅迫し、列強連合に強制加入させたとの連絡が来た
世間は周りに合わせようとしない清が悪いと批判した
日帝「クッソ…ごめんなさい。清社長。私が余計なことを言ったせいで…」
自分が思いっきりあんなことを言わなければ彼らは酷い目に遭わなかった。そう嘆く日帝
そこにーーー
「日帝さん…いますか?」
日帝「あ?」
入ってきたのはイギリスであった
しかし日帝の彼らに対しての好感度はマイナスを雄に超えている
🇬🇧「私の同僚が…申し訳ないです」
日帝「なんで貴方が謝る必要があるんですか」
🇬🇧「一つ聞いて欲しいことがあるんです」
日帝「なんですか?」
🇬🇧「さっき私達列強連合は沢山の会社が集まっている事と話しましたね…でも実は
2つの勢力に別れてるんです」