両親の東京観光、最終日前夜。二人を大和さんの部屋に招くことになった。
誘いに乗るのを渋るお父さんをお母さんが説得し、今日に至る。
私は仕事が休めなかったから、とりあえず定時に上げてもらい待ち合わせになっている私たちの住むアパートに急ぐ。
秋も深まり、速足で帰る私の頰に夕方の冷えた風が刺さる。妙な緊張感と相まって、身体の芯まで冷えてきた。そうして 暫(しばら)く歩いていると、アパート前に人影が。
「しーちゃん!お疲れ様ー!」
「ごめんおまたせ」
「……お疲れ様」
「あ、ありがとう」
どこか厳しい雰囲気のお父さんに、脳天気なお母さん。そんな二人を連れ、アパートの鉄製の階段を上る。
「まさか恋人がお隣さんなんてね〜」
「あはは」
気の抜けるようなお母さんの声に、今日は少し救われる。
今日は両親の為に、大和さんが和食を作ってくれている。部屋の前にたどり着くと、ふわりと出**********************
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