テラーノベル
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その後、スパッツ、下着と順番に合わせていく。
さらに寝袋、寝袋カバー、マット等も選んで。
個人用の装備だけで、結構ザックが膨れた状態だ。
さらにテントも、いつもと違う状態になる。
雪山以外では、テント本体の外側に雨よけのフライをつける。
でも今回は、フライ無しでテントの内側に内張をつけるそうだ。
「昔、内張が無くて、通常のフライを付けた状態で雪山で試したんです。そうしたら夜中に、酸欠に近い状態になってしまったんです。明らかに息が苦しくなって、仕方なく入口を開けて、寒い中換気をしたんですよね。何もなかったから笑い話にできますけれど。中の水蒸気がフライで凍って、テント内が換気されなくなったのが原因ですね」
さらに煮炊きをするガスは、寒い処用のものでないと火がつかないとの事。
「何か色々、普通の時期と違うよね」
「でも注意すべき事がわかっているからこそ、私達でも行けるのですよ」
未亜さんの視点に、なるほどなと思う。
実際にアイゼンを付ける練習と、その状態で歩く練習もした。
がに股で歩くことを意識しないと、アイゼンが引っかかって転んだりもするそうだ。
そんな訳で、格好だけはそれなりに出来た。
「さて、あとは買い物に行きましょうか。服なども見るなら、一緒にどうぞ」
僕は気づく。
これは不味い展開だ。
「僕はいいです。装備も一通り揃ったし。何なら、バスでここから帰ります」
「えーっ、悠君、一緒に行かないの?」
彩香さんのこれに弱いのは、自分でも自覚がある。
でも前例があるので、ここは断固として断ろうと思ったけれども。
「大型のスポーツ用品店にも寄るからさ。どんな装備を売っているか、見るだけでもいいんじゃないか」
川俣先輩にそう言われ。
「この後の予定は無いと読めるのだ」
亜里砂さんには、そうバラされ。
「折角だから、皆で一緒に見て回りましょう」
美洋さんにも、そう言われてしまう状況だ。
さらに、こそっと未亜さんが告げる。
「人生、諦めが肝心なのですよ」
おい! 未亜さん。
まあ、そんな訳で僕も諦めた。
「基本的にアウトドア用品の所にいるよ。皆が服を見ている間はさ」
そう言って、僕も仕方なく車に乗り込む。
それでも当然ながら、女性陣の服選びにも付き合わされてしまうわけで。
結局、寮に帰ることが出来たのは、夕方7時近くだった。
うん、これからは断固として断る勇気を持とう。
そう決意はするものの。
「色々見られて楽しかったね」
なんて笑顔の彩香さんを見ると、その決意も鈍るわけで。
「まあ頑張るのだ」
なんて亜里砂さんに励まされて、今日の一日が終わりを告げる。
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