「……翔太、大丈夫?」
楽屋のソファに座ったまま、じんわりと痺れた足をさすっていた俺を、涼太が見つめてくる。
「……ちょっと、足が痺れて動かない……」
「ん〜」
そう言って、気軽に俺の足を触った涼太の指先が、ちょうど痺れの残るふくらはぎを撫でた。
その瞬間――
「ひゃっ、あぁっ…」
思わず変な声が漏れる。
楽屋の空気が、一瞬で固まった。
涼太の手が止まり、自分でもわかるくらいにみるみる顔が熱くなっていく。
「……え?」
涼太が顔を上げて、じっと俺を見つめる。
その視線に耐えきれず、俺はそっと口元を押さえた。
「違う、違う……! なんか、思ったよりくすぐったかっただけで……」
焦って弁明するものの、耳まで熱くなっているのが自分でも分かる。
「……そっか」
涼太が口元を歪め、どこか楽しそうに俺を見つめる。
「もう一回触ってもいい?」
「は!? いや、ちょ、やめろって!!」
慌てて足を引っ込める俺を見て、涼太はクスクスと笑った。
「冗談だよ、冗談」
「……涼太、マジで性格悪い……」
俺はふてくされるようにソファに深く座り直し、腕を組む。
けど、涼太はそんな俺の反応すら楽しんでいるみたいで、満足げに俺の横に腰を下ろした。
「あのさ」
「……何」
「今の声、結構可愛かったよ?」
「は?もうマジでそういうのよくない!!!」
俺は勢いよくクッションを掴んで、涼太に投げつける。
けど、当の本人はそれを軽く避けながら、ニヤニヤしたまま俺を見つめていた。
……もう、ほんとに性格悪い。
コメント
2件
さすがゆり組だわ😏❤️💙
しょっぴーぽいw