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#こめんとくーださい!
熱い冷やし中華
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#この物語はフィクションです
熱い冷やし中華
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九重九十九
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私は、生まれつき目が見えなかった。真っ暗な世界に、一人ぼっち。家からはあまり出ない。外界は、眩しすぎて危険なのだ。でも、淋しくはない。声が聞こえるから。母の温かい声。柔らかい手。談笑。美味しいご飯。全てが、揃っていた。永遠と続くと思っていた。でもそれは、日が経つにつれてどんどん萎れた。
ある日から、家が静かになった。
朝になっても挨拶がない。ご飯は出てこない。何度呼びかけても、返事はない。
それだけではなかった。部屋の中から、異臭がした。戻しそうになるニオイ。何も食べてないから、胃は空っぽなのに。胃液を何度戻したのだろう。ハエの羽音がうるさい。
苦しかった。母の名前を呼んだ。誰も来なかった。暗闇に、一人ぼっちだった。
だんだんと頭がぼやけてくる。お腹が空いた。喉も乾いた。誰もいない。どうすればいい。どうすれば。
ああ神様。どうして、私の視界を奪っただけで満足ならず、母も奪ったのですか。
──いつの間にか意識を飛ばしていたらしい。心拍計の電子音が繰り返し鳴る。誰かの話し声がする。
私は病院に救急搬送されていた。いや、雰囲気でそう思うだけだ。もしかしたら…違うのかもしれない。
ゆっくりと手を伸ばし、周りを探った。枕やシーツの手触り。それと、なにか柔らかいものに触った。強く握る。
「ぐちゃり」
崩れるような音がする。なにか酷く不快で、手を引っ込めた。二度とそれには触らなかった。
ふと、頭上に甘い少女の声が降ってくる。
「あ!♡患者さん起きた〜!おはよう!」
どんな姿かはわからない。ただ、砂糖を焦がしたような匂いがした。声のする方を向き、ゆっくりと手を伸ばす。彼女に触れた。ふにゃりとした、猫っ毛。手に張り付くほどの、ぷにぷにのほっぺた。その子は嬉しかったのか、掌に頬を擦り寄せた。
「もしかして、患者さん…おめめが見えないの?音は、聞こえる?体温は伝わる?…話せる?」
悲しそうに。まるで当事者かのような、辛そうな声色で少女は尋ねる。
「目が見えないだけだよ。それ以外はできる。そんなに心配しないで。」
それを聞いて、彼女の口元が緩んだのを感じた。頬をずっと触っていたから、感情が伝わる。
「そういえば、私の家には母が居たはずなんだ。…どこにいるか、知ってる?」
「…?お母さんは、眠ってるよ。ベッドで。」
彼女はさも当たり前かのような口ぶりでそう答える。ふと、私の手首を持ち、自分の頭へ持っていった。頭を撫でてほしいらしい。
「…そっか。患者さんは、見えないんだもんね。後で、お母さんに会わせてあげる。」
その言葉を聞いて、無意識に自分の肩の荷が降りたような気がした。あの日から、ずっと孤独を感じていたのだろうか。でも、またいつものように、幸せな毎日を送れる。
「…患者さん。」
ふと、手から頭が離れる。するりとふわ毛が消えた。
「私たちが、目が見えるように、してあげる。」
貴方は、患者さんだから。
「ようこそ。愛の巣へ。」
コメント
1件
え、ちょっと待って待って待って待って!?!?!?!?😭💦 これ、めっちゃ怖くない??最初の盲目の主人公の孤独感が切なくて切なくて仕方なかったのに、最後の「愛の巣へ」って…何この背筋凍る展開!?🥶 「ぐちゃり」の感触とか、ハエの羽音とか、母親の異臭とか、そういう細かい描写が生々しくて脳裏に焼き付いてしまったよ…。少女の甘い声と不気味な台詞のギャップが本当にゾッとする。 続きが気になりすぎて今夜眠れないかも…夏目さん、これは反則ですよ〜!!😭💕