テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
夏の太陽の下。
ビーチボールは高く、高く舞い上がった。
「来るにょ!」
ちぐが叫ぶ。
ボールはぼくたちの方へ落ちてきた。
「まぜち!」
「任せろ!」
ぱしっ!
まぜちがきれいに打ち上げる。
続いてちぐ。
そして最後はぼく。
「えいっ!」
思い切りボールを打った。
「あっ!」
ボールは相手チームへ飛んでいく。
「ぷり!」
「おう!」
ぷりちゃんが飛び込んだ。
だけど。
「届かんっ!」
ボールはぷりちゃんの指先をかすめて、そのまま砂浜へ落ちる。
ぽすっ。
一瞬の静寂。
そして。
「やったぁぁぁぁぁ!!!」
ぼくたち三人は同時に飛び上がった。
「勝ったにょー!!」
ちぐも大喜びだ。
「よっしゃ!」
まぜちが珍しくガッツポーズをする。
一方。
「うそやろぉぉぉ……」
あっきぃはその場に崩れ落ちていた。
「まさかけちゃおに負けるなんて、、」
「おおい!ぷりちゃん?」
ぷりちゃんも悔しそうだ。
「惜しかったな。」
あっちゃんが苦笑する。
「くっそぉぉぉ!」
砂浜に突っ伏すあっきぃ。
すると、
「そんな落ち込まなくても。」
ぼくは笑いながら手を差し出した。
「あっきぃ、楽しかったでしょ?」
「……楽しかった。」
「じゃあいいじゃん!」
あっきぃは少しだけ笑った。
その時。
ぷりちゃんが立ち上がる。
「まだ終わっとらん!」
「え?」
「第二回戦や!!」
元気よく宣言した。
「いやだめにょ。」
ちぐが即答する。
「なんでや!」
「ぼく疲れたにょ。」
「俺も。」
まぜちも同意した。
「多数決で負けやな。」
あっちゃんが肩をすくめる。
「そんなぁぁぁぁぁ!」
ぷりちゃんの叫び声が響く。
みんな大笑いだった。
潮風が吹く。
空はどこまでも青い。
笑い声は止まらない。
勝っても負けても、
こうしてみんなで遊ぶ時間が楽しかった。
そんなことを思いながら、ぼくは仲間たちの笑顔を見つめた。
すると。
「じゃあ次は砂のお城対決やな!」
ぷりちゃんが元気よく言った。
「切り替え早っ。」
まぜちが呆れる。
でも。
「面白そう!」
「やるにょ!」
「負けへんぞ!」
気付けばみんな乗り気になっていた。
次の対決の幕が、もう上がろうとしていた。
コメント
1件
ああ、めちゃくちゃよかったです……! ビーチボール対決、勝った瞬間の「やったぁぁぁぁぁ!!」で思わずこっちまでにやけました。特によかったのは、勝った側が偉そうにせず「楽しかったでしょ?」って手を差し伸べたところ。勝ち負けより一緒に遊ぶ時間そのものが宝物なんだなって伝わってきて、胸がじんわり温かくなりました。ぷりちゃんの「まだ終わっとらん!」も可愛くて、みんなの笑い声が聞こえてくるような夏の一ページでした🌊
わっしょいカンパニー社長 熾盗
777
ご主人
997
14,536
ゆも
34