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※相良愛され
京極組を天から見守り続けていた相良ニキ。その記憶を持ったまま人生をやり直すことになり無双をする話。
主の贔屓目フィルターにより相良ニキの容姿の美化表現あり。とてつもねぇ美化
このお話の中でBL表現、r18の表現がある場合は記載いたしますので、望んでない方は自衛しっかり。
・相良『』 他の方→⚪︎⚪︎「」
・天界の案内人のような人→案内人《》
なんでも許せる方のみお進みください。
あと忍耐
《天界(相良視点)》
俺はつい最近来たあいつが地獄へ行くのを手を振って見送った…
さっきまであった地獄への禍々しい扉は天界の案内人という白いレインコートのみてぇな服を着たやつが右手を振るとその姿を消した。
あいつらがこっちにきてからの騒がしさはもうねぇな、周りは真っ白な空間が広がって、そこにポツンと古いブラウン管テレビと2枚の座布団、先程まであいつと食べてたお供物のカップラーメンの残骸、酒の缶なんかが床のあちこちに転がっている光景をぐるりと見渡す。
そのありさまを見て苦笑しながら俺は一枚の座布団をテレビの前に持って行って腰を下ろす。
相良『……ふ〜…海瀬も行っちまったか…』
案内人《…あなたはまだここにいるのですか?》
相良『…別にいいだろ……それとも邪魔か?』
案内人《いいえ、ここは地獄より広い
あなた1人くらいどうってことありません。
ですが、ここには始まりも終わりもない
いても意味がない場所に居続ける意味とは?
他の方々はもう行かれたのに…
かつての仲間を待っているのですか?》
案内人の方に振り向くのは面倒で俺はその言葉に首を少し横に振るだけで答える。その拍子に見つけたリモコンを手に取って、ボタンを押してテレビをつけた。
相良『あいつらに来てほしいなんざ
1ミリも思っちゃいねぇよ。ただ、
久我の…こいつらの作る新しい京極組を
見てみたい…見ていたいんだ…』
そのテレビに映ってたんは近藤の兄貴の結婚式や裏神とマッドカルテルの戦争中の京極組、楽しくクリスマスを過ごす守若、佐古、久我、テレビの先に見えるのは現在の京極組の姿だ。
このテレビは俺がここに来たはじめからあって、最初は天羽組の冨樫や北岡なんかもいてこのテレビを見ながら天京戦争の行く末を見たもんだ…。
日下の親父は直で地獄に送られたらしいから会ってはない。そんなやつらもちまちまいた。
まさか…親父がマッドカルテルにも手を出してたとはな…俺はそんなことも知らず親父の命令に従って手の上で踊らされて外道になって……
やっと久我のおかげで改心できたと思ったらこの有様…俺…あいつらになんもできてねぇな…
テレビで親父や兄弟の笑顔を見ながら苦笑する。
相良『俺も…あそこに…』
このテレビから見るあいつらの生き様は俺が憧れてた前前組長の時代のそのもので…俺の愛した京極組の姿で…どうしても目が離せねぇ
加えてここにテレビの中の誰かがくるたびにここで見ていた俺に何もできないのが…どうしようもなく悔しくて、いつもテレビの前で泣き叫んでは俺がもっと強かったら、生きてこの場にいれたなら…なんて…
俺はもう死んでるのに、テレビの向こうに行きたくてずっと離れらんねぇんだ…
そんな俺を後ろから見てた案内人が少し考えたように俯いた後、テレビの横に来て語り出す。
案内人《もし…先を知っている者が
見えた全ての悪行を裁き、
先の不幸を防げるならば
映るものの顔にもここにくる者の顔にも
幸せが溢れるでしょうか…》
相良『…あん?』
俺は案内人の醸しだす哀愁を感じとったが言わんとしていることがよくわからず首を傾げる。
案内人《あなたはいつもこのテレビを通じ
現世で何が起こっているのかを見て
自分にも何かできないか…
そう思い懸命に思考をしていますね》
相良『ッっ////っだからなんだよっ!』
そういえばこいつ、この前自分で言ってたが人の心もわかればその場を見てなくても俺が泣き喚いてたところを俺の記憶からのぞいたりできるチートやろうだったなぁ…くそっ人間基準なんてもんは通じねぇってこったろうな…
俺はそれを知られているという事実にどうしようもない気持ちを抱えながら小っ恥ずかしくなり目を案内人からそらしながらそう返す。
案内人はそんな俺になんの表情も変えず話を続ける。
案内人《相良颯誠、あなたの人生をもう一度
やり直してみませんか?
その知識と記憶を活かし
あなたの身の回りだけでいい…
あなたの身の回りの人々の幸せを
あなた自身の力で築いてみてほしいのです》
相良『おっ…おいっ?!さっきから何言い
出してんだよあんた!
人生をもう一度って…っ?!』
案内人《あなたも望んでいたでしょう?
それに、これは私にとっても
初めての試みです。
ここにくる人はほぼまだ寿命を迎えて
いない、苦しんだ表情のものばかりで
子供の姿も少なくない…
地獄にも人が溢れかえり見るも無惨
私はそれがどうしようもなく…悲しい
それが変えられる希望を私は
見つけて見たいのです。
貴方だからお願いしたいのです。
人の幸せを想い続け己の悪行を恥じ
人の悪行を罰し、苦しみに折れない
そして、彼らをずっと見守ってきた
貴方だからこそ…》
案内人は先ほどまでの淡々とした声と比べて少し強く言葉を発し俺に頭を下げた。
俺はそれに戸惑ったが、未だつけっぱなしのテレビの中のあいつらの…京極組の家族を見てさっきまでの熱い熱が心臓を焼く。
相良『ハハっ…あんた相当頭湧いとるなぁ…
世界が不条理なんざ
今に始まったことじゃねぇのに…
どうして俺なんだかなぁ…
極道だぞ…?見る目ねぇ…』
案内人《では…》
俺の皮肉に案内人はさっきまでの勢いは無くなり少し残念そうな声を出す。こいつとの時間も長くなって…そんなのもわかるようになっちまってたかと微笑をこぼす。
相良『俺を選んだこと後悔すんなよ?
いや…することは許さねぇっ!!
俺があいつらの先頭走って
あいつらがバカな事故起さねぇように
どんな地面にでも俺の轍残してやる!!
それでいいんだろ?案内人さんよ?』
俺はそう言ってどこからともなく現れた
こっちにきてからは握ることもなかったそれ…
特殊警棒の先を案内人に突きつける。
すると案内人は少し間を開けると微笑み
案内人《では、あなたのご活躍をこのテレビの
向こうで拝見させていただきます。
ありがとうございます。
それでは、よろしくお願い致します。》
そう言って俺の胸に手を翳す。その瞬間俺の体は光の粒になり消えていくとともに目の前が白に包まれていく。その中で俺は案内人にもう少し残していく。
相良『喉仏が自分の声で潰れる音…
聞かせてやる…
俺の着メロにするわ…っ!!』
多分俺の顔は醜悪に歪んでたはずだが…
その時見えた口元しか見えない案内人の顔は今までないほどに幸せそうに綻んでいた
それを見て俺の目の前は完全な白い光に覆われた。
《天界(案内人視点)》
私は心では美しく笑っているはずなのに顔は醜悪に歪んでいる面白い彼の笑顔を目に焼き付けられ、白い光に溶けていく彼を見送った。
案内人《やっぱり…彼は人間らしく、美しい》
彼の心はとても透き通っている、まるで快晴の時の秋の風のように。柔らかく頬にあたる涼しい風。けれど彼の身につけているスーツの色に現れているような毒が彼の中には漂っている。その毒は猛毒かそれとも妙薬か、それは吸ったものすらもわからないだろう…
そして体は腕のある巨匠が丹精込めて研磨を繰り返し作った雪の彫刻のように白く美しく整っていて、髪は滑らかで甘いクリームのような色、瞳は鋭く印象深い赤い瞳は宝石の女王と呼ばれるルビーを思わせる。そのルビーの瞳と彼の性格を合わせて睨まれればその毒と美しさに誰も抗えない…
美しさと醜さを兼ね備えた、一番人間らしい人…
前回の彼はその毒が強すぎた。彼の美を彼自身が破壊してしまうほどに。だがその毒は極道としての覚悟や恐怖への耐性をつけるたまにはとても役に立ち、舎弟の教育係も担うことが多かった。それであの久我虎徹が育ち、久我虎徹により改心してからその毒は減り、そこから死ぬまでの短い間で関わった人との絆を深め、魅了したのだ。
彼がこちらの世界に来てからの姿を見ても愛されていたのは明らかだった…自分の殺めた人との会話も経て、彼は何をおもったか…
今の彼なら…それら全ての彼の美を生かし
報われなく散った思いを、また咲かせてくれるでしょう…
案内人《さて…テレビを付け直して…
こう言うのをリアタイ…と言うのです
よね…ふふふっ…》
私は初めての試みに心を躍らせながら相良颯誠の産声の上がるチャンネルへと切り替えた。