テラーノベル
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暗めの🇺🇸と🇯🇵のワンシーン。短いです。
「眠っている間は何も考えずに済むだろ」
それは、極たまにしか聞くことのできない、アメリカさんらしくない声色だった。薄暗くて、どこか無機質で、投げやりなもの。
相変わらずサングラスでロクに表情は窺えないが、なんとなく彼は目を閉じている気がした。
僕はそれにどういう反応を示すでもなく、「そうですね」と答えた。
多分だけど、彼はあまり他人に詮索されるのが好きじゃない。でもこうして、思わずといった風に言葉を零す。それは彼が僕を信頼してくれているからなのか、それともただの気まぐれなのか。訊かなきゃわからないが、とりあえず僕は、それを言葉どおり受け取っておくことにしている。彼が僕に何かしらのリアクションを求めているとも思えないし。
多分、話を聞いてほしい、それだけのことだ。それなら僕はいくらでも聞いてやろうと思う。友達なんだし。
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