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次の日俺が会社に行くと野島に呼ばれた。
「今度会社内での勉強会をやる資料を志保さんか梶原君にお願いしようかと思っているんだけど」
「なんで候補が俺か志保さんなんですか?」
「それは上からの指示で決まったことなの梶原君が嫌なら志保さんになるけど」
(ここで俺が資料作って志保よりも優位にたつことできるが逆に志保にさせて失敗させる方が断然楽だ)と考え
「志保さんはなんて言ってるんですか?」
「梶原くんがやらないならやってもいいって」
「じゃあ俺やらないんで志保さんにお願いします。」
俺がそう告げると野島は少し固まって何か言いたそうな顔をしていたが俺はその場を離れた。
その日の昼休憩時、志保がやってきた。
「梶原くんなんで断ったの?」
「志保さんの方が得意でしよ。結構多くの仕事こなしてるじゃないですか。」
志保は困った顔になり小声で
「実は私仕事のやり方なんて知らないのよ」
俺は知っていたが知らないふりをして
「えっ!でも上司は仕事が出来るって言ってたけど」
「あれはいつも人にさせて私がやったていにしてたの」
「そんな事してたんですか!」
「梶原くんならやると思ったから梶原くんが断ったらやるって言ったのに」
「そんな事言われても困りますよ」
「どうしてくれるのよ」
「じゃあ俺が資料作るのでそれで勘弁してくれません?」
すると志保は目を輝かせて
「えっいいの?」
「僕もちょっと断ったから悪い気しちゃって」
「え〜ありがとう!」
「あっでもお互いのために僕が資料作るの黙ってて欲しいんですよね」
「私はいいけど梶原くんはそれでいいの?」
「俺が作ったってなれば話ややこしくなるし今まで志保さんが築いてきた物もバレますよそうなったら面倒臭いじゃないですか」
「それもそうね。じゃあこれは2人だけの秘密ね。」と上機嫌になり鼻歌を歌いながら仕事場に戻って行った。
その日の夕方俺は仕事が終わり帰ろうとすると
麻衣子さんが俺の所に駆け寄ってきた。
「梶原くん。明日休みだよね私も休みなんだけど二人で遊びに行かないかな?」
「俺はいいけど。急にどうした?」
「泣いてる時とか話聞いてもらったりしてたのになんのお礼をしてなかったからもあるしたまには梶原君と二人で遊びたいって思ったから」
「そんな気にせんで良かったのに」
「とりあえず明日。私迎えに行くから」と走り去っていった。
翌日二人でショッピングセンターへ行った。
俺は麻衣子さんが楽しんでいる姿を見て安心した。少しは不安を取り除けたのが嬉しかったからだろうか。その日はあの会社のことを忘れて俺も楽しんだ。
家までの帰り道麻衣子さんは笑顔で
「楽しかった〜こんなに楽しんだのあの会社に働き出して初めてだよ。梶原君今日は時間作ってくれてありがとう」
「別に。俺も楽しかったから」
「梶原君は今キツくない?何の役にも立たないかもしれないけど頼ってほしいな」と少し心配そうな顔で俺に伝えてきた。
「俺は大丈夫だよ。」
「でも無理だけはしないでね」
「俺は無理なんてひとつもしてないよ」
「じゃあ私家ここだからまたね」
と麻衣子さんが帰っていった。
その後ろ姿はまだどこか儚く寂しそうに見えた。
(もう、あと少しで終わるから安心して)と思い俺も家に帰った。