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今日は中尾に決定的で辞めざるを得ない状況を作ることにした。
俺は更衣室で目の付きやすい所に財布をおき取られやすいようにして、中尾の所へ向かった。
「おつかれ〜」
「お疲れ梶原君。今日どうしたん?そんなニコニコして」
「いや昨日スロットで8万勝ってさ」
「いいな〜そんなに勝ったならご飯ぐらい奢ってよ」
「嫌だよ。欲しいもん買ったりしたいしさ」
「なんだよ。ケチだな〜」と中尾は口を尖らせながら言った。
「俺そういや野島さんに呼ばれとったの忘れとったすぐ行かな」と焦った表情で言うと
「どれくらいで帰ってくるの?」と中尾は聞いてきた。
「多分人事考課の話だから2~30分ぐらい」
「そうなんやね。まぁ頑張って」
「何を頑張るんだよ」と俺は笑いながら野島の所へ向かった。
そして会議室で野島と待ち合わせをしていたので会議室に行くと野島が先に居た。
「梶原君どうしたの?」
「見て欲しい映像があります」
といい俺は財布の置いてある更衣室の映像を見せた。
「これなに?」
「今リアルタイムで映像が出ているんですが面白いのが見れますよ」
と言いながら二人で映像を見ていると
更衣室の扉が空いた。
中尾が入ってきて俺の財布を物色している姿が映っていたのだ。
やはり俺の読み通り中尾は今給料日前で金欠だ。 しかも俺の財布にお金が入っていると知れば必ず盗みに来る。
この映像を見て野島は唖然としていた。
そして直ぐに野島は中尾を会議室へと呼び出した。
「中尾くんあなた自分のした事わかってるの」
「なんの事ですか?」
「監視カメラに写ってるのあなたがお金を盗んでいるところ」
中尾は焦った表情で
「これにはわけがあるんです。梶原君に申し訳ないことしたと思っているんですけどお母さんが入院してて」
「だからと言って盗んでいい訳じゃないでしょ。後ほんとにお母さん入院してるの?」
俺はさっきの映像を見せた時にこの間話をしていたスマホの録音を野島にも聞かせていたのだ。
そんな事も知らない中尾は
「ほんとです!」と言い張った。
「じゃあ確認するから電話するよ」と野島は言うと
「すいませんでした。嘘です」と泣きながら中尾は罪を認めた。
俺は会議室のロッカーでバレないよう話を聞いていた。
「とりあえずあなたの処分は上と話合わせてから決めますから今日は帰りなさい」と言い中尾帰らせた。
そうして下った処分は解雇と今まで会社の人から借りていた分の返済だった。
ちなみに借りていた金額は合計で30万程だった。
俺は喫煙所に行き一服した。
(中尾はもう終わった本当は警察に突き出すのを想像したけどそれじゃ会社の評判が悪くなるからしなかったのか)と考えていた時LINEの通知が来た。
佳奈さんからだ。
“今までありがとう。転職先も決まったし会社辞めるね。彼氏の件もありがとう。貴志と知り合いだったんだね”
という文章だった。
(貴志も上手くやってくれたんだな。これで佳奈も辞めた残すは志保だけだな)と思い俺は仕事へ戻った。