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???「今日から七月だね」???「そうね。ていうか手元ちゃんとみなさいよ。今調理実習してるんだから」
ここは、家庭科室。「雨花」、「桃時」は調理実習を行っていた。今は「カレー」を作ってる模様。
桃時「次に具材を入れて茹でるんですって」
雨花「各グループごとに作るものが違うの先生も大変そうだし、やめた方が良いんじゃない?他の人から貰ったカレーを自作したって言えば済むすごく楽な授業だと想ったのに〜ちぇっ〜」
桃時「そういう考えで調理実習を行う者がいるなら各グループ違う作品になったのよ」
雨花「あぁ……うちの学校なら裏で料理の作品を渡し合う取引とかやって成績とか誤魔化しそう……あはは……」
桃時「まぁそういうわけだから大人しく調理実習することね」
雨花「ほいほい。……えぇっと次は、ルーを入れて……」
「…………」
「…………」
桃時「ちょっとあんたたち何してるの?」
桃時は同じグループの机の下に隠れている女子二人に話しかけた。
「へ!?嫌その……」
「べ、別に何も……」
桃時「何もしてないのはダメなんじゃない?アタシたちしか調理実習してないし」
「だ、だって……」
「うぅ……」
「「怖いんじゃあ!!!!!????」」
女子二人は心の中で叫ぶ。
「(雨花ちゃんは「黒い彼岸花」って言われてて、物を破壊したり、妖怪を倒したりしてたすごく恐い人だし……)」
「(桃時ちゃんは男を食い物にした超ぶりっ子で女の子の敵だったって言ってたし……)」
「「正直全くもって関わりたくない!!」」
雨花「(……とか思ってるんだろうな。わたしはともかく桃時ちゃんの悪口を言われるのはなんか嫌だな。あまりにも態度が良くなかったら脅せばいっか)」
※そういうところです
桃時「どう?味は?」
雨花「うん!桃時ちゃんの言う通りにしたからとっても美味しいよ!」
桃時「ご飯も炊けたわ」
雨花「二人の分も一応寄せとくね」
「い、いや、私たちは大丈夫というか……」
「お気づかないなく……」
「毒でも入ってんじゃねぇか?」「絶対異物は入ってるよ」「あいつら何すっかわかんねぇからな」「あの子たち可哀想」
雨花、桃時を恐がる噂話が広がる。
雨花「うーん美味しい!恐い思いさせてたらごめんね?でも、一口でも良いから食べて欲しいな」
桃時「そうね。それに別に残しても気にすることないわ。余ったカレーは橙たちに渡しましょ」
雨花「うん!」
雨花、桃時は笑いながら食事を食べる。
「…………少し食べてみようかな」
「……私も」
雨花「おっ!二人も食べる?」
桃時「食べなさい食べなさい」
「う、うん」
「では」
「「いただきます」」
二人は一口カレーを食べる。
「…………」
「…………」
「こいつら何も喋んねぇぞ?」「やっぱり何か入ってたんだよ!」「あいつらやっぱりやること恐ぇ」「あいつら騙したのか?」
周りは雨花、桃時を酷評している。しかし……
雨花「どう?」
「…………しい」
桃時「え?」
「!」
「これは……!」
「「美味しい!!!!」」
「甘すぎず辛すぎず、具もゴロってしててとっても美味しい!!」
「コクもあってとっても深い味がする!とっても濃厚!」
二人はどんどんカレーを食べ進めていく。
雨花「あはっ!良かった!どんどん食べてね!」
桃時「最初から噂話なんかに乗せられず食べれば良かったのに」
「え!気づいてたの?」
「ずっと聴こえてないのかと思ってたよ」
雨花「いや、流石にね〜でも、そこまで気にしてないけどね〜あはは!」
桃時「噂話なんてもう慣れっこね。特に気にしてないわ」
「(噂話してるって気づいてたのに、優しくしてくれたんだ)」
「(雨花ちゃんも桃時ちゃんも優しいな)」
二人はみつめ合うと、頷き、そして……
「「雨花ちゃん、桃時ちゃん、ごめんなさい」」
雨花「え?……あぁ気にしなくて良いよ!自分のこと許してあげて欲しいし、自分を追い詰めるようなことしなくて良いからね?」
「でも……」
「私たち……」
雨花「うーん。あなたたちはあなたたちらしく生きて欲しいし、それがもし、何かを傷つけるものなら、少しずつ少しずつ傷つけた想い出を大切なものを傷つけないための想い出に変えていけば良い。難しいかもしれないけど、そうしていけば自分の心を癒してくれる人に出会えるはずだから。」
桃時「アタシも気にしなくて良いわ。あんたたちも自分のこと責めてないで、自分に優しくしてあげなさい。」
「!、ありがとう!」
「うん!すっごく嬉しい!」
雨花「あははは」
桃時「はいはい」
こうして、調理実習は終わったのだった。