テラーノベル
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その夜、私は不思議な夢を見た。 一面、真っ白な花が咲き乱れる庭園。そこに、私と同じ顔をした儚げな女性が立っていた。
『……ありがとう、今のソフィア』
彼女は優しく微笑んだ。その瞬間、私の脳内に、経験したはずのないおぞましい記憶の断片が濁流となって流れ込んできた。
(……っ! 何よ、これ……!?)
ドレスに仕込まれた無数の針。スープに混ざったガラス片。 ゲームのシナリオには書かれていなかった裏設定なのだろうか。
ゲームのソフィアは、カイル殿下に冷遇され、侍女長配下のメイドたちから無視され、ドレスを破られる――そんな孤独な悪役令嬢として描かれていた。しかし、そんな言葉だけでは片付けられない地獄がそこにはあった。
(私が知っていたのは、ゲームの表面(ストーリー)だけだったのね。彼女は……本当のソフィアは、こんな暗闇の中にずっと一人でいたんだわ)
『あなたの力で、私の心は今、やっと救われたわ』
穏やかに笑いながら、オリジナルソフィアの姿が光に溶けていく。
(……ええ、任せておきなさい。私は図太く生きて最高の幸せを手に入れてみせるから!)
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