師匠に付いていくと、屋敷から大体100kmくらい離れた所にある山に着いた。
山を登り始めて大体真ん中くらいにある広い平地に出た。
高さは120mくらい?かな。
※マンション30階くらい
「リース、まずはコイツらを無傷で倒してみろ」
そう言うと師匠はアウルベア幻獣(げんじゅう)を召喚した。
アウルベア幻獣は複合獣で梟頭(ふくろうあたま)の熊の姿をした凶暴な幻獣だ。
稀に前足が羽毛に覆われてる場合もあり、魔術によって作られる。
体格は通常よりも大きく強く連携を取って襲う魔獣だ。
そして、そんな強いアウルベア幻獣が50匹程召喚された。
ゑ?
アウルベア幻獣って召喚の技術的に結構上級者向けだし一匹30エーテル消費するのにそれを50匹もさらっと召喚するとか軽く化け物クラスじゃないか。
(ちなみにエーテルって言うのは魔力の単位のことだよ)⟵エーテルについてはまた詳しく書きます
そんなことを考えているとアウルベアが一斉に襲いかかって来た。
速いな、図体でかいのに何処からそんなスピードが出るんだ???
それに幻獣なだけあって威圧感が半端ない。
一般市民なら気絶するかもね。
とりあえず前から片付けていく。
動きが速く一撃が重いが一つ一つは単純だ。
30cmくらいの大きな爪を使って10匹が1列になり、円を組んで引っ掛けに来た。
前後左右から隙間なく鋭く尖った爪が向かって来るのを上に高く飛び交わして、背中に背負ってるクレイモアを抜き、技を出す。
「【燐火・りんか】」
剣に魔力を流し込み青い火を纏わせ勢いよく横に回し、ダメージを入れる。
うーん…効果はイマイチかな、傷一つ付いていない。
なら次は……
「【炎熱領域・ブレイズフィールド】」
平地に青白い炎が放たれアウルベアを囲むように僕のフィールドを創る。
「【爆裂・エクスプロージョン】」
剣を使って空中に魔法陣を描き、そこから最高度の燐火が爆発と共にアウルベアに全体に向かう。
これは上手くいったようだ。
始めに少しダメージを入れた10匹は砕けた。
魔力で創られているため死体が出ない。
すると少し焦ったのかアウルベア達は一斉に地面に爪を突き刺して亀裂(きれつ)を入れる。
亀裂が進み僕の周りの地面が崩れ落ちる。
え、本当にいってるの?
僕の創ったこの地面10,000°は軽く越える程熱いのに地面に手刺してるよ???
熱耐性あるのとか聞いてない()
(僕は創った張本人だから何も感じない)
なんとか崩れた地面の欠片を蹴りあがって飛び移り、新たに地面を創る。
「【最高峰之炎地・プリームスフレイムグラウンド】」
再生成した地面に着地し次の手を考える。
いや待てよ?初めてアウルベアを見た時想像以上に大きくて驚いて戦闘力を見れてなかったけど、よく考えたら集団だと脅威なだけで、個体一つ一つならそんなに強くないかもしれない……(いや正確には強いけど戦闘力は僕の方が上っていうわけ)
それに魔法や魔術の技術は僕の方が高い。
アウルベアは火に耐性があるけど完成度の高い技なら通用するはずだ。
「【紅蓮散華・ブレイズロータス】」
真紅の花弁を生成して刃として満遍なく降り注がせる。花弁の雨が炎の様に強く輝き降る。
この技は完成度を遥かに越えて極めた技だ。
威力(いりょく)はかすったら燃え尽くされるので”死”がほぼ確定されるだろう。
この技でアウルベアの9割は倒せた。
1人で練習していて良かった。
そういえば紅蓮は紅色の蓮の花。
仏教用語では、八寒地獄の7番目である紅蓮地獄(鉢特摩地獄)の略称でもあって、死後そこに堕ちた者は、酷い寒さにより皮膚が裂けて流血し、紅色の蓮花のようになるという話があるのだ。
……それじゃあアウルベア達の場合ってどうなるんだろう?
魔力で創られたから堕ちたりしないのかな?
そんなことを考えながら***【放熱・ヒート】*** で生き残ったアウルベアを始末していく。
このアウルベア達は確かに強い。
でも、冷静に考えると僕の敵って程でも無かったな。
それでも、舐めてかかるマネはしない。
戦いで気を抜けばすぐ足元をすくわれる。
そんなことは師匠との訓練で痛感してる。
___こうして、僕はアウルベアを倒した。
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