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「倒しましたよ」
アウルベアを倒した僕は師匠に報告した。
「おお…あのアウルベアを無傷で倒すとは……実力は確実に付いてるようだ」
「あのアウルベア?」
「知らんのか?アウルベアは熊科の魔獣のの上位クラスの幻獣で、単体はもちろん群れで襲いかかってきたら腕の立つ騎士でも15人は必要とする程強いのだ。
しかも、かなり高い火炎耐性と連携プレイをするからかなり厄介なのだ。」
「いえ、存じております。
ただ、火炎耐性があっても僕の完成度を越えた技なら通用しましたし、最悪、僕の独自の能力がありますし。
確かに連携を取ってくるのは厄介ですが一つ一つが単純で応用がありませんので簡単躱せますし、力以外の身体能力は僕の方が上でした……だけど、能力無しで戦うとなればギリギリ勝てるか危ういです…」
そう言うと師匠は目を見開いて驚いた。
「リース、そこまで考えていたのか。いや、その前にその口ぶりだともしかして特殊魔法が使えるのか…?」
と尋ねられた。
ああ、そういえば師匠に言ってませんでしたね。
因みに特殊魔法っていうのは
*【創世の始原七翼・アルキプリテリュクス】の火・水・風・土・光・闇・無*。
そして【万里の三角・トリルアレーティア】の熱・氷・音・自然・雷・影の中から能力を授かり力の持った者が生まれる。
だが稀にそれらに該当しない能力を持つ者が現れる。
それが特殊属性だ。その力を用いる時、事は特殊魔法と呼ばれる。
詳しくはあまり知られておらず謎の多い特殊属性だが、今まで現れた特殊属性は精霊・結界・死霊・幻惑・幸運・時間の6つ現れているがこれ以上の情報は分からない。
まあ僕が持っている時点で7つ目の能力があるんだよね。
「僕のは”法則“だね」
「いやいやいやいや!そんな凄い事さらっと言わないでくれ!?」
「え?いや此処には僕と師匠しか居ないですし…」
「それはそうだが、そういう問題ではないんだよ」
「???」
「この事が広まって陛下の耳に入ればどうなるか……」
「ハッ‼)そうなれば僕の自由はほぼ失われる……様々な実験をされる可能性も…?いや、ただの被害妄想かもしれないかもしれないけど…」
「リース、よく考えろ。
特殊属性持ちはここ数百年程現れて居ない。
研究者は新たな情報が欲している、そんな時にお前のような子供で特殊属性を持っている者が現れたら、何がなんでも手に入れて王宮から出ることは愚か、常に誰かが監視してるような生活になるぞ!?」
「……」
僕は絶句してしまった。
確かに数百年程特殊属性を持っている者は現れていないため、この事がバレてしまえば必ず国から遣いが来るとは予想はしてたが、監禁に等しい生活が待ってそうだと思ってはいたが、決まった事ではないので、頭の隅に置いておく程度しか認識してなかった。
だがまさか師匠にここまで言われるとは。
まあ師匠は国内トップクラスの実力者、王家が放っておくわけがなく、色々な修羅場を潜り抜いて来たのかもしれない。
その経験からこうして僕に話してくれているのかもしれない。
そうなればこの話はただの被害妄想では無くなり現実味を帯びてくる。
しかも僕は子供だ。
大人からすれば都合がいいだろう。
それだけは勘弁だ。
僕は従者として王宮へ送り出されるのは確定してるが、ある程度の自由は許されているし、優遇もされる。
苦しい事は仕事を全うしていれば無いと思う。
が、監禁となれば話は別だ。
外向きは保護とかなんとか言うだろうが、やってることは監禁と変わらないのだろう。
そんなことをされたら絶対精神が病んでしまうじゃないか……そこは流石に考えてくれる…とは思いたいが分からない。
とりあえず僕が今出来ることは、情報を広めないことだ。
「あの、師匠…この事は……」
「ああ分かっている。誰にも言うまい」
「ありがとうございます…!」
心から安堵して師匠に頭を下げる。
「!?リ、リース!貴族がワシのような者に頭を下げるな!」
「?確かに身分は僕の方が上ですがそれは両親のお陰で僕は凄くありません。それに師匠は僕の師匠なので!!」
「……そんな貴族が居るか…おかしな弟子め」
そう言って師匠は微笑んだ。
僕も釣られて笑う。
聞いていたのが師匠で良かった。
もし、他の人ならばこれを僕の弱みとして良いように使うかもしれないからな。
誰も居ないからと目先の情報だけに囚われず、常に軽率な発言は辞めようと僕は決意した。