この作品はいかがでしたか?
112
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今日は年内最後の受診。
明後日はクリスマス。
先生『症状は、安定してきた?』
「ん。でも、なんかすぐ疲れちゃって。」
先生『そっかぁ。家事とかは?』
「一応してます。毎日。仕事いかないから、時間はあるから、今まで午前中で終わってたことも終わらないし。洗濯物ひとつにしてもきつい。」
先生『そっか……薬は?』
「ちゃんと毎日飲んでます。誕生会とかそういったイベントのときだけ、薬飲まずに、みんなとお酒のんだりしたけど、前みたいには飲めなかった…」
先生『今まで楽しかったことはおなじようにたのしめてる?』
「ん………それはちょっと難しい質問です。答え方ごわかんない(笑)けど、楽しいというか、落ち着きます。って感じかな?」
先生『みなさんとは、どう?』
「みんなが凄くよくしてくれるから、有難いけど、時々それすら、申し訳なくて。1人になりたくなる。正直。でも、だれかしら、いるんだもん。」
先生『ストレスに感じる?』
「ん……そこまではないけど。(´Д`)ハァ…」
先生『ん?どうした?』
「なんかもうキツイ…」
いつもこう。
横になりたい………
なれないと、泣けてきちゃう……
先生『わかりました。今日誰か付き添いいる?』
「ん………」
壁に頭をつけもたれる。
しんどい。
『失礼します。』
『ゆりさん??』
先生『あ、今日は深澤さんは……』
岩『仕事なので…』
舘『大丈夫?ゆりさん?』
「………きつい。泣。」
先生『もう少しで終わるね?』
それからは、先生の話も遠くに聞こえる。
岩『ゆりさん、いくよ?』
そう言われ、抱きかかえられた。
そのまま私は意識を手放した。
目を覚ますと、自分の家の布団。
誰もいなかった………
日も落ち、暗い部屋。
「…………」
別に下に降りていけば、だれかいるだろうし、いなかったら、隣に行けば居るだろう。
けど……
わけのわからない不安に襲われ、また布団に潜る。
愛想つかされたかな
とか、
マイナスなことばかりが頭をぐるぐるとまわる。
その時だった。
玄関があいて、子供たちの声が。
「ただいまぁー!!」
飛鳥『ほら、制服きがえてよー!』
目『おれ、ちょっとゆりさんの様子見てくる!』
飛鳥『あ、うん!』
長女「ほら、洗うやつだして!」
バタバタと帰宅してからの騒がしさと、階段を上がる足音。
それすらも、なんか怖いというか、なんというか……
目『ゆりさん??』
呼ばれたけど、なんか話したくもなくて。布団に潜っでくるまって、顔隠してるから起きてるかはわからないだろうし。寝たフリしよう。
目『ん?息して………』
そっと布団越しに体にめめの手が。
Σ( ˙꒳˙ ;)ビク
目『………起きてるでしょ?』
「…………」
目『ねぇー。』
「……あっちいって」
目『なんで?』
「いいから。ほっといて。」
目『下にいるからなんかあったら言ってね?』
「………」
それだけ言うとめめは下に降りてった。
しばらく布団に潜ってくるまって……
泣いた。
苦しくて怖くて。
ふと、頭にふっかさんが浮かんだ。
もとから、こう落ちると、いつもふっかをみる。
スマホで動画とか。
助けてよっていつも助けて貰えるわけもないのに、画面に移る深澤辰哉に向かって助け求めてたな。おかしい奴でしょ?(笑)
いまは……発信押せば、声が聞ける
助けてっていえば、助けてくれる………なのに
それがやっぱりいえなくて。
もっと苦しくて。消えたくなってく。
子供のことなんて、放置だし
もう、私なんか………
そう思って、ふと、自分の腕をみた。
一発、2発と自分の腕を殴る。
そう、私なんかいる価値ないから
そう聞こえてきた気がして。
でも痛い……
苦しい。
すると、電話がなった。
左腕は赤く腫れてる。
着信画面を見るとそこには、”深澤辰哉” と表示されていた……
恐る恐るでる
「………もしもし…………」
深『あ、起きてた?ってか、泣いてる?どした?』
「………ッ!」
深『照、ごめん!いそいで。』
岩『え?』
深『なるだけ急いでくるから。ね?』
「………グス………」
はぁもう最悪だ
こんな彼女なんていやだよね
ただの迷惑女じゃん
「……ごめ……っ。だ…いじょぶだから、いい。」
そう言って電話を切り、電源もきった。
10分ほどして、
泣き疲れからか、ウトウトしていた。
すると階段を上る足おとが。
『ゆり?』
Σ( ˙꒳˙ ;)ビク……
『大丈夫?』
「……飛鳥?」
『うん。そだよ?きつい?』
「……ん。でも大丈夫……大丈夫。大丈夫。私は…」
『ゆり……』
背中をさすられた……
『大丈夫。ゆりは大丈夫。大丈夫。』
その規則正しいリズムのせいか
自然と、眠りにおちた。
コメント
1件
私ゆりのことちゃんと癒せてる?大丈夫だから。ちゃんと居るよ。