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第二章 王立魔法学院
春風が王都アシュリアを優しく吹き抜ける。
王立魔法学院。
王国最高峰の魔法教育機関。
白亜の校舎は青空に向かってそびえ立ち、その壮大な姿に新入生たちは思わず息を呑んでいた。
学院の正門前で、一台の白い馬車が静かに止まる。
扉が開き、一人の少女がゆっくりと降り立った。
銀色に輝く長い髪。
宝石のように透き通る青い瞳。
雪のように白い肌。
その美しさに、周囲の視線が一斉に集まる。
「綺麗……。」
「まるでお姫様……。」
少女はそんな視線にも気付かず、学院を見上げて小さく微笑んだ。
「ここが……王立魔法学院。」
その後ろから、一人のメイドが降りてくる。
黒髪を腰まで伸ばした少女。
ルミアーナ公爵家専属メイド――ねね。
「お嬢様。」
「本日から学院生活ですね。」
「うん!」
ツララは期待に胸を膨らませる。
すると学院職員が近付いてきた。
「失礼ですが、付き添いの方は……」
ねねは静かに一枚の銀色の許可証を差し出した。
そこには王家の紋章が刻まれている。
職員の表情が変わった。
「し、失礼いたしました!」
「特別許可を確認しました。」
「学院内への立ち入りを許可します。」
周囲の生徒たちがざわつく。
「メイドなのに?」
「王家の許可証……?」
誰も知らない。
ねねが王家直属の護衛としても認められた、特別な存在であることを。
そして――
武術だけなら王国最強とまで称される実力者であることを。
その秘密を知る者は、ごくわずかだった。
「では参りましょう、お嬢様。」
「うん!」
二人は並んで学院の門をくぐった。
講堂では、新入生たちが席についていた。
やがて壇上に学院長が姿を現す。
「新入生諸君、入学おめでとう。」
厳かな挨拶が終わると、学院長は穏やかに微笑んだ。
「続いて、生徒会長より歓迎の言葉です。」
講堂が静まり返る。
壇上へ歩み出た一人の青年。
金色の髪。
気品あふれる立ち姿。
王家の紋章が入った制服。
アシュリカ王国第一王子。
生徒会長――ルーク・アシュリカ。
その姿だけで、新入生たちから小さな歓声が上がる。
「ルーク殿下だ……!」
「本当にかっこいい……。」
ルークは演台の前へ立ち、新入生たちを優しく見渡した。
「新入生の皆さん。」
「本日は入学、おめでとうございます。」
「この学院では、身分や家柄だけではなく、努力と実力が何よりも尊重されます。」
「時には困難に直面することもあるでしょう。」
「ですが、その一歩一歩が皆さんを成長させます。」
「仲間を信じ、自分を信じ、学び続けてください。」
「私たち生徒会も、皆さんが充実した学院生活を送れるよう全力で支えます。」
「ようこそ――王立魔法学院へ。」
大きな拍手が講堂を包んだ。
ツララも自然と笑顔で拍手を送る。
「素敵な人……。」
その声は小さく、誰にも届かなかった。
しかし壇上から講堂を見渡していたルークの目が、一瞬だけツララを捉える。
(あの銀髪の少女……。)
昨日、王都で見かけた少女。
不思議と心に残る存在だった。
だが今は、それ以上考えることはなかった。
入学式が終わり、新入生たちは講堂を後にする。
「あっ!」
廊下で一人の少女がツララに駆け寄ってきた。
「さっき隣だったよね!」
桜色の長い髪。
薄紫色の瞳。
「私、アイリス・セレスティア!」
「ツララ・ルミアーナです。」
「ツララちゃん!」
アイリスは嬉しそうに笑った。
「これからよろしくね!」
「うん、よろしく。」
ツララは学院で初めての友達ができた。
その笑顔を見たねねも、静かに目を細める。
その頃。
生徒会室。
ルークは窓から中庭を眺めていた。
「会長?」
書記のノアが声をかける。
「どうかしましたか?」
「……いや。」
ルークは静かに目を閉じる。
(ツララ・ルミアーナ。)
(どこかで……また会う気がする。)
その予感は、不思議なほど強かった。
一方、新入生たちは次々と大広間へ集められていく。
教師が静かに告げる。
「これより、新入生全員の魔力測定を開始します。」
ツララは小さく息をのんだ。
(……大丈夫。)
(普通にやれば、きっと。)
だが、その”普通”は。
世界の常識とは、大きく違っていた。
そして、この日。
王立魔法学院始まって以来の大事件が幕を開ける――。
――第一巻 第二章 完 ❄️
次回第3章は、いよいよツララの魔力測定から始まり、学院中が騒然となる最初の大きな見せ場に!?
皆さんこんにちは!
見てくれてありがとうございます🙇♀️
今回も頑張って考えました(*^^*)
まだまだ物語は続く予定なので最後まで見てくれるとうれしいです!
コメント
1件
ああ、もうめっちゃ良かったわ……! 学院の雰囲気からルーク王子の登場、アイリスとの出会いまで、一つひとつの描写が映像で浮かぶみたいで引き込まれた。特にねねの“実は最強”感がたまらん。次回の魔力測定、絶対何かやらかすよな? 楽しみすぎて待てん🔥
眠狂四郎
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Adept
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