テラーノベル
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ソア
「ちょっと、離して…!」
廊下を歩きながら、
テオの背中を睨む。
でもテオは、
気にした様子もなく歩き続けた。
ガチャ
連れて来られたのは、
誰もいない階段裏
ソア
「……なんなの。」
テオ
「アイツに何言われた。」
ソア
「別に。」
テオ
「別に、って顔じゃない。」
まただ。
この人は、
どうしてすぐ見抜くんだろう。
ソア
「……“誰にでも優しい”って。」
テオ
「は?」
ソア
「だから勘違いするなって。」
少し沈黙が流れる。
そのあと、
テオは小さくため息をついた。
テオ
「興味ない。」
ソア
「え?」
テオ
「誰にでも優しくするほど暇じゃない。」
ソア
「……。」
心臓がうるさい。
期待しそうになる。
ダメなのに。
その時。
アリン
「テオ。」
階段の上から声がした。
アリンが静かに立っている。
アリン
「少し話せる?」
さっきまでの空気が、
一気に変わった。
テオの表情が冷たくなる。
ソアは初めて見た。
あんな顔。
テオ
「……あとで。」
アリン
「逃げるの?」
テオ
「やめろって言っただろ。」
低い声。
鋭い目。
怖いくらい冷たい。
ソア
「……。」
アリンは少し黙って、
苦笑した。
アリン
「ほんと変わらないね。」
そう言って去っていく。
静かになった階段裏で、
ソアは小さく聞いた。
ソア
「…知り合いなんだ。」
テオ
「気になる?」
ソア
「別に。」
テオ
「嘘。」
また、
少しだけ笑う。
でもその笑顔は、
どこか寂しそうだった。
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