30分で用意できるか?いや、やるしかない。家に着いた僕は、彼女から逃げるため、そして生きている人に出会うため。
キャリーケースに、服や下着。予備の靴を2足持って行こう。リュックには、水や傘、何かと便利な果物ナイフと、ザバイバルナイフを入れておこう。量産しやすそうな、カボチャや芋系の種など、大きな食料は段ボールに入れておくか。
とりあえず、優翔のとこへ行くか。あいつは、まだ生きている。集合時間は、10時半。残り30分。だが、今外に出れば彼女がいるだろう。
裏だ!裏から出て、裏側の家の大きな車を借りよう。どうせ、誰も使いやしない。しかし、こんな大荷物をどう運ぶか。
『海くーん、どこぉ。どこにいるのぉ?早く出ておいで〜、何もしないから出ておいで〜。』
ベランダから、声が聴こえた。見つかったら、もう逃げられないな。僕は家の階段を、抜き足差し足忍び足の要領で、降りた。
ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ
玄関のドアノブが、動いた。見つかった、街灯が灯ってないから、大丈夫だと思ったから、油断していた。
『海くーん、いるんでしょ〜。分かってるよぉ、開けてよぉ、何もしないから〜。ねぇ、開けてよぉ。』
開けるわけ無いよ!開けたら、逃げられない。家に裏口があって、助かった。これで、暫く見つかることはないだろう。
僕は、裏口から家を出た。あの大型車なら、4人は乗れそうだ。僕の荷物も全て入りそうだ。鍵は開いていたし、座席に置いてあった。無防備なんだろうけど、今は関係ない。自分の安全が最優先だ。
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書き方を少し、変えてみました。見やすかったら、♡よろしくお願いします!