※この物語はフィクションです。
実在の人物及び団体、事件などとは一切関係ありません。
〈File8:探偵の矜持〉
「君の背骨に触れさせてくれ。そうしたら喜んで協力するよ」
背骨が戦慄くようだった。
軽薄で、露骨で、下卑た声が、空っぽの身体の中でいつまでも響いている。
残響をかき消すように、私は大きく踵を鳴らして振り向いた。
「あなたは……」
緑の瞳が打算と下心で陰っている。
朝比奈の中に見つけた狂気じみた好奇心を見つけられなくて、期待が萎んでいくのを感じた。
そうして気づく。
私は朝比奈に期待していたのだと。
失望は溜息に変わった。
「案外、卑怯な男なのね」
園田さんの依頼は達成した以上、この先は仕事じゃない。
だから調査を続けるのは私情で、朝比奈まで私に付き合う必要はない。
もちろん、協力を強制する***************
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