「…絶対、仕返ししてやる…」
前回のドッキリの後、楽屋の片隅で、宮舘が静かな闘志を燃やしていた。そのただならぬオーラに、佐久間がニヤニヤしながら近づく。
「お、舘様燃えてるじゃん!いいねえ!」
「当たり前だよ。僕のプライドを傷つけた罪は、重い。」
フッと、国王は不敵に笑った。そして、ボソリと呟く。
「それに…あいつの焦った顔、可愛いぞ。」
その一言を、聞き逃すメンバーたちではなかった。
「「「ガチ?!!」」」
「見たい!しょっぴーの可愛い顔!」
「よっしゃあ!みんなぁ!!!今度は翔太にドッキリだぁ!!」
あっという間に、打倒・渡辺翔太(のポーカーフェイス)同盟が結成された。
首謀者は、もちろん宮舘涼太。ターゲットは、美容番長、渡辺翔太だ。
ドッキリの内容は、「ニセの最新肌年齢測定器で、翔太だけがありえない数値を叩き出す」という、彼のアイデンティティを根底から揺るがす恐ろしい計画である。
数日後、YouTubeのニセ企画として、「最新AIで肌年齢をチェック!」という撮影がセッティングされた。
「まあ、俺は負けないけどね。日頃のケアの成果、見せてやりますよ。」
カメラの前で、渡辺は自信満々に言い放つ。その姿を、8人は(…フフフ、今のうちに言っておくがいい…)と温かい(?)目で見守っていた。
小道具係の向井が用意した、それっぽい機械にメンバーが次々と手をかざしていく。
「うわ、ラウール16歳!若っ!」
「ひーくんも20代前半!さすが!」
「阿部ちゃん、実年齢マイナス5歳!すげー!」
メンバーが若々しい結果を出すたびに、スタジオは盛り上がる。その度に、渡辺の自信はさらに深まっていく。
そして、ついに真打ちの登場。
「じゃあ、最後は翔太!頼むぞ!」
深澤に促され、渡辺は「まあ、見てなって」と余裕の笑みで機械に手をかざした。
全員がモニターに注目する。ピピピ…という電子音の後、表示された数値は…
**『52歳』**
しん…、とスタジオが一瞬静まり返る。
「…は?」
渡辺は、モニターと自分の顔を二度見、三度見する。
「え、ちょ、バグ?絶対バグだって!もう一回!」
慌てて再測定するも、次に表示されたのは**『53歳』**。無慈悲にも、数値は上がっていた。
「なんでだよっ!!!」
渡辺の悲痛な叫びがスタジオに響く。
「しょっぴー、最近疲れてるんじゃない?」と岩本が心配そうに声をかけ、
「ドンマイ!人間、そういう時もあるで!」と向井が肩を叩く。
「…俺の作ったスープ、飲みますか?」と目黒が静かにカップを差し出す。
完璧な追い打ちだ。
「俺の努力って…なんだったんだよ…。昨日も、あの高いパックしたのに…!」
本気でショックを受け、ソファの隅で膝を抱えて落ち込み始める渡辺。その姿は、まるで捨てられた子犬のようだ。
その時、一連の流れを涼しい顔で見ていた宮舘が、ゆっくりと近づいた。
「翔太。日々の積み重ねが、数字に表れるということだね。」
その、どこまでも冷静な一言が、渡辺の心を完全に折った。
「…もう、美容やめる…」
うなだれる渡辺が、本気でそう呟いた、その瞬間。
スタジオの照明が変わり、モニターに大きく映し出された。
『ドッキリ大成功!!!!!! by 宮舘涼太』
「…へ?」
しばらく固まっていた渡辺だったが、やがて状況を理解し、顔を上げた。その顔は、驚きと、怒りと、そして少しの安堵でぐちゃぐちゃになっていた。
「お前らなぁーーーーーっ!!!」
「いやー、しょっぴーの焦った顔、マジで可愛かった!」
「『美容やめる』は名言すぎでしょ!」
「舘様の作戦勝ちだな!」
メンバーにワシャワシャと頭を撫でられ、最初は本気で怒っていた渡辺も、最後は「俺の美意識返せよ!」と笑うしかなかった。
「これで、貸し借りなしだね、翔太。」
満足げに微笑む宮舘に、渡辺は「覚えとけよ!」と返しつつも、その口元は緩んでいる。
結局、いじられて、焦らされて、最後はみんなで大笑い。
そんな、平和でわちゃわちゃした日常が、彼らにとっては最高のParty Timeなのかもしれない。
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美容やめるはおもろいw ゆり組でやりあっててなんかかわいい! 続き楽しみにしてます!