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リップグロスとアイライナーを塗った高校の制服の女の子が三人、カフェの前を通り過ぎて行く
ウエストでスカートを折り込んで、パンツが見えそうなぐらい限界まで折り曲げたミニスカート、細い脚を見せびらかしている
ボソッと晴美ちゃんが言った
「昔は私もあんな体だった・・・・」
晴美ちゃんの声は悲しげだった
「羨ましいわ・・・・」
「晴美ちゃんは妊婦さんでも素敵よ!カッコいいし」
励ましてくれてありがとうと晴美ちゃんは微笑んだ
「今はとにかく体系を隠す服ばかり着てるわ・・・・産んでも元に戻れなかったらと思うと恐怖よ」
「でも赤ちゃんに母乳もあげないといけないからダイエットもほどほどにね」
晴美ちゃんははその後もあれこれとあたしの事を聞いてきた、どこの高校で、実家はどこなのかとか・・・
あたしは事実と嘘の間を半分ずつ行ったり来たりして、具体的には答えない
いつからかあたしは呼吸をするように嘘をつけるようになった、それでもあたしが人に向かってつく嘘は、自分自身に対する嘘に比べたらささいなものだ
私達は子供の頃の打ち明け話を沢山した、友達は昔の思い出を共有するものだとはわかっている、やっぱり思った通り、あたしと晴美ちゃんは良い友達になれる
「彼氏が船の上なら休みの日は何をしてるの?」
晴美ちゃんの問いかけにあたしはぎこちなく笑う
「あたしの毎日は退屈なの」
「そんなことを言う人ほど、面白い話があるものよ」
「そうかしら・・・・でも・・・そうね・・・」
ニヤッと笑って晴美ちゃんに囁いた
「実は今の旦那はあたしがバーでひっかけたの」
「そんな話ワクワクするわ!」
晴美ちゃんがケラケラ笑う