雨宮くんと後輩女子を目撃し、思考が冷えてからの私は冷静だった。仕事も捗るし、頭がやけに冴えている。
「雫、お昼行きましょ」
「うん。今日は社食がいいな」
「なんで?あ、今日はハンバーグ定食の日ね」
「そうなの!美味しいんだよね」
ある程度仕事が片付き、椅子に寄りかかり背伸びをする雫を捕まえオフィスから出る。社食名物のハンバーグのことを考え、口角を上げるその表情が微笑ましい。
「可愛いわね」
「えっ、なになに突然」
「だから、雫が可愛いなーって。彼氏さんも幸せよね」
「やめてよ、照れちゃう」
(……私は雫みたいにはなれない)
柔らかな雰囲気で、大きな目がクリクリしてて素直で優しくて、女の子らしくて。私みたいに、上から目線で物を言う、他人からの見た目や自分のプライドを捨てきれない、カワイくない女とは程遠い。
(でも、私はこれでいいの。私は私)
気落ちしているのを隠すよ****************
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