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コメント
1件
うわあ、このエピソードめっちゃ好き!!🌸💕 龍たちのドタバタ騒動がもう可愛すぎて笑っちゃったよ〜😂 ハリソンとお玉の「No」「あい」の掛け合いとか和みポイントすぎる! 櫻子ちゃんの不安な気持ちと、金原さんの「大丈夫だ」って手握るシーンが対照的でエモい…✨ 弁当忘れたの知らずに進む展開が気になりすぎるよ!!次どうなるの!?😭🔥
「ちょいと、ちょいとっ!」
お浜が、血相を変えて飛び出して来た。その後を、ヤスヨが慌てて追いかけて来る。
「櫻子ちゃん、出かけちまったのかいっ!!」
「お浜さん!どうしよう!」
ヤスヨが、手に持っている小さな包みを見ながら言った。
「どうしたよ?お浜?」
「龍!櫻子ちゃん、弁当忘れてったんだよっ!って、あんた、何でここに、いるんだよっ!」
「なにぃーー!」
龍が叫んだ。
「お浜、一大事じゃねぇかっ!」
おっしゃっ!と、龍が連れてきた男衆の中から、若者が歩み出る。
「龍の兄貴!オレ、追いかけますぜ!」
そうしてくれるかい?と、ヤスヨが、弁当包みを手渡そうとした時、
「いや、でも、虎ちゃんの人力車って、意外と早いんだよねぇー」
ハリソンが、簡単に追い付けやしないよと、話の腰を折った。
「おぅ!異人!このオレ様を誰だと思っているんだ?!韋駄天《いだてん》のマサといゃあ、ちっとは、知られた身なんだぜっ!」
櫻子を追いかけると名乗り出た若者が、ハリソンへ食ってかかるが、
「はて?なんでしょうねぇ?たまちゃん、言ってることわかるかぃ?」
「あ、あい?」
「そこは、たまちゃん、No だよ?!」
「あい!ハリトン!」
「ハリトンじゃないんだけどなぁーまあ、いいか」
ハリソンとお玉は、何故か和んでいる。
龍が呆れ、韋駄天のマサとやらに、声をかけた。
「おお、マサ、頼めるか?どの道を行くかわかんねぇ。とりあえず、女学校目指して走れ!向こうで落ち合え!」
へい!と、マサは、返事をすると、ヤスヨから櫻子の弁当を受け取った。
「で、女学校は……あら?お浜、櫻子ちゃん、どこの女学校へ行くんだ?」
「龍!そんなことも知らずに、行け!なんて、偉そうに言ってたのかい?櫻子ちゃんの女学校は……あれ?どこだったっけ?」
「なんだ、お浜、おめぇも知らねぇのかあ?!」
などなど、わいのわいのと、騒ぎが起こっていることなど、そして、櫻子が、弁当を忘れたことなど気付かぬまま、金原と櫻子は、虎の人力車に揺られていた。
「……心配するな。授業には、お前なら付いていける。八代のお墨付きだ。そもそも、新設の学校だから、そう難しいことは教えてない。家政が中心だと聞いている。それなら、櫻子、お前は得意だろ?」
道々、金原は、女学校について、櫻子へ説明していた。不安げな様子を隠しきれない櫻子への配慮、というものなのだろうが、聞けば聞くほど、櫻子は緊張した。
編入という形で、いきなり入学して、やっていけるか、というよりも、周囲から反感を買わないかと、そちらも心配だった。
しかし、金原の期待のような、俄然やる気になっているような勢いを見ると、素直に、はいと、言っているのが一番なのかもしれないと、櫻子にとっては悩ましい話だった。
「社長!そろそろ、築地っす!」
「だな。虎、居留地の中だ。そこからは、俺が案内する」
へい、と返事をする虎を遮るように、金原は、
「小さな、学校だが、場所柄、西洋の文化を積極的に取り入れている。学ぶことは、これからの時代、きっと、役に立つはずだ。ただ、規模が小さいのがなぁ……」
授業内容が、やや、劣る。設備もお粗末と、金原は渋るが、
「とりあえずは、それぐらいの方が、お前も、ついて行きやすいだろ?おいおい寄付を増やすつもりだ」
などと、女学校まで、テコ入れするつもりのようだった。
「……は、はい」
櫻子には、そうとしか答えられない。
なんだか、大事になってしまったと、櫻子が、モヤモヤしていると、見える景色が代わり始めた。
広い道の両側には、煉瓦作りの建物がずらりと並び替え、通行人も、異国人の姿がチラホラ見られる。
「虎、そこを右へ入ってくれ」
金原の指示に従い、虎が進むと、煉瓦塀に隔たれた、木造二階建ての小さな宿舎のような建物が見えた。
「さあ、櫻子、着いたぞ。礼華女学校だ」
「……礼華女学校……」
櫻子は、なんとも言えない威圧感に襲われる。
「心配するな。大丈夫だ」
言って、金原は、櫻子の手を握りしめた。