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第134話、読み終わりました。古流斬くんの過去が少しずつ明らかになってくる感じ、すごく好きです。七歳で悪意を知ったときに能力が変わったっていう閻魔の分析、胸にきました。純粋だった少年が、過酷な環境で「曖昧」を宿していく過程が水鏡越しに描かれてて、静かな緊張感がたまらなかったです。「黒のラン」っていう新しい名前も、ゾクッとするほど響きが良くて…続きが気になります!
短編「黒のランという存在」
閻魔の執務室。
机の上には、古い記録を映し出す水鏡が置かれていた。
映し出されているのは、幼い頃の古流斬。
閻魔は静かに映像を見つめる。
「……やはり違う。」
鬼が尋ねる。
「何がです?」
閻魔は映像を指差した。
「この頃の古流斬には、『曖昧』はまだない。」
「能力はまだ認識を少しずらす程度じゃ。」
鬼も頷く。
「確かに、今とは全然違います。」
映像が進む。
七歳。
誘拐され、マフィアへ連れて行かれた頃だった。
その瞬間、映像の中で能力がわずかに変化する。
閻魔の目が細くなる。
「……ここじゃ。」
「『曖昧』の痕跡が初めて現れた。」
鬼は驚く。
「七歳で?」
閻魔は静かに頷く。
「おそらく。」
「あいつはこの時、初めて人の悪意を知った。」
「裏切り。」
「恐怖。」
「絶望。」
「それほど強い感情が能力へ影響したのかもしれん。」
鬼は腕を組み、少し考える。
「もし……。」
「古流斬が傲慢の善性だとしたら。」
「悪意を知ったことで『曖昧』へ変わった。」
「そう考えれば辻褄は合います。」
閻魔は小さく息を吐いた。
「可能性はある。」
「だが、証拠はない。」
鬼は静かに続ける。
「人間の魂に、別の存在の魂が宿ることは。」
「ごく稀ですが、伝承には残っています。」
「もし本当に。」
「傲慢の善性。」
「古流斬自身の才能。」
「極限の環境。」
「その全てが重なったのなら……。」
閻魔は水鏡を見つめたまま呟く。
「だから理を超えた。」
「だから能力の性質まで変わった。」
「だから、人間ではあり得ない存在になった。」
執務室に静寂が流れる。
閻魔はゆっくりと立ち上がった。
「古流斬。」
少しだけ考え、首を横に振る。
「……いや。」
「今のあやつは、その名では足りん。」
鬼も静かに頷く。
「ええ。」
「あれはもう、一人の少年ではない。」
閻魔は窓の外を見つめ、小さく呟いた。
「黒のラン。」
「それが今のあやつを表す名なのかもしれんな。」
#鬱展開
Mist-404
2,037
833
129
#バイオハザード
SOMAMON7A
443
二人は答えの出ない仮説を胸にしまい、静かに執務室を後にした。