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兄さんside
久しぶりに、国に帰れることになった。
1週間前には伝えたが、思っていたよりも、早く帰れることになり、今日、やっと軍に着いた。
どこかから、誰かが見てたのか、玄関近くまで着いた時には、全員集まっていた。
「兄さん!おかえり!」
「久しぶり!」
「今回は、長かったナ」
口々にそういうメンバーの後ろに、見慣れない3人が、ポツンと立っている。
真面目に答えてくれそうな、トントンに尋ねる。
「なあ。アイツらって、誰なんだ?」
すぐに我に返ったトントンが、紹介してくた。
「兄さんがいない間に入ってきたヤツら」
ミルク色の髪の彼が、エーミール。
ヘルメットを被った彼が、ショッピ。
ぐるぐるメガネの彼がチーノ。
「はじめまして」
「どうも」
「はじめまして!チーノです!」
「あぁ。はじめましてだな。コイツらからは、兄さんって呼ばれてる」
エーミールとチーノは、楽しそうに質問を投げかける。
「兄さん…さんって、なんで中々帰ってこないんですか?」
「兄さんでいい。俺は色んなところで、武器などの調達をしてるから、中々帰れないんだ」
「みなさん、兄さんに懐いてますねw」
「中々帰ってこれないから、今のうちに話したいんだよ!悪いか!」
俺の代わりに、コネシマやゾムが言った。
おい。休ませろや。
騒いでいる間、ショッピは、俺の後ろを見ていた。
目線の先には、着いてきた黒い狼が1匹。
「どうしたか?」
「いえ。懐いてるんだなぁって思って」
ホント、何でだろうか。
「兄さんって、帰ってくるとき毎回動物連れてるよな」
「勝手に着いてくるんだよ。まあ、次でるときには、野良に返すさ」
狼の頭を撫でる。
フワフワした触り心地で、気持ちいい。
それから、食堂で飯を食ったり、後発組の3人と、話したりしていた。
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ショッピside
兄さんって人が、帰ってきた。
今の今まで、知らなかった人。
会ってみて、ここの人なんだァって思えた。
なんで怪異連れてんの?
多分ゾムさんの時と似てるヤツ。
兄さんの後ろにいて、めちゃくちゃ懐いてる。
兄さんは、1週間しかいないらしい。
明日の夜にでも、さよならしとこ。
食堂から出て、部屋に戻って書類をしようとしたら、クソ先輩に引き止められた。
「おいショッピィ〜どこいくん?」
「部屋です。まだ書類が残ってるんで」
ナイフを投げながら、答える。
「アッブナ。なんだよ。おまえそれどうせ、来月分とかやろ」
「まあそっすね」
「ならええやんか。今日やらんで」
「ショッピくんショッピくん。今日は休んでええんよ。代わりに、コネシマと大先生に振っとくから」
「じゃあクソ先輩にたくさん振ってください」
後ろで先輩が「おい!」って言ってる気がするが、まあ気のせいだよな!うん!
トントンさんのおかげで、今日は休みになった。
何しよう。ツーリングにでも行こうかな。
猫の溜まり場を見つけたし、餌持って行こうかな。
色々考えてる後ろで、先輩が騒ぐ。
うるせぇ!
「先輩黙って死んでください!」
そう叫びながら、ナイフを何本も投げる。
他の人たちは、笑いながら眺めている。
先輩は、「やめろ!」とかなんとか騒ぎながら、ナイフを避ける。
黙れって言っとるやろ。
「先輩うるさいです」
「おまえがナイフ投げるからや!!」
そろそろトントンさんに怒られる気がするから、ここらで辞めておく。
先輩らは、トントンさんに引きずられ、仕事に戻っていった。
エミさんとチーノは、どうせだしと、休日になって喜んでいた。
兄さんは、部屋に戻るらしい。
俺の向かい側らしいから、話しながら廊下を歩く。
「おまえ、コネシマに対して殺意が高いな」
「まあ。あの人がここに連れてきましたし」
「そんなに嫌か?」
「違います。ただ、俺の意見も聞かず、いきなり連れていったんで。ムカついてるだけです」
来てよかったとは思っている。
が、せめて考える時間を貰いたかった。
俺の返答に、兄さんは楽しそうに笑った。
「どうかしました?」
「いや。なんでもない」
少し雑談をした後、部屋のまえで別れた。
翌日。
兄さんに誘われて、グルッペンさんとコネシマさんを殺しにかかった。
2人の驚いた顔、おもろかった。
怒られたけど、談話室で楽しかったと話した。
休憩しに来たチーノとエミさんも加わり、珍しいメンツで、ささやかなお茶会をした。
といっても、オスマンさんたちみたいな感じではなく、雑談と飲み物しかない。
「兄さんって、動物に懐かれやすいんですね」
「大半ってか、ほぼ勝手に着いてくるんだよな」
「じゃあ、あの黒い狼も、そうなんですか?」
「そうだな。いきなりフラッと出てきて、そこから着いてきたんだよ」
兄さんが行った、色んな国のことを聞いたり、俺らからみた先輩たちのことを話したり、結構楽しかった。
夕食のときには、クソ先輩に、「おまえらいつの間に仲良くなったんだよ」と言われるしまつ。
ちゃんとゾムさんに引き渡して、食害をして貰ったけど。
今日は安全だァ。
まあ、夜は安全なわけないけど。
行こうと思っていたのに、向こうからきた。
ゾムさんの時と似ていて、森の中の風景になった。
はぇー似たもん同士やな。
タバコ吸おう思ったけど、ポケットには入ってなかった。
そこも同じかいな。
「用があんならさっさとしてくれよ」
適当に声をかければ、姿は見せず、声だけが聞こえた。
『手を出すな』
「は?」
何が言いたいのか分からず、変な声が出た。
というより、『ふざけるな』という気持ちが勝っていた気が。
そこから、凄いことが判明した。
この黒い狼は、ゾムさんのときの偽イフの親らしい。
この親にして、あの子供かいな。
この偽イフ親は、自分の気に入った兄さんと、子供の気に入ったゾムを、連れ去りに来たらしい。
ざけんな。
『おまえのせいで。私の可愛い子供が…!!』
だから、俺を許さないらしい。
八つ当たりも、いいところだ。
「元は、アンタらちょっかいかけてくるからだろ」
『うるさい!!二度と邪魔をせるな!!』
その後、パッと景色が変わった。
自分の部屋だ。
部屋の中心に、ただ呆然と突っ立っていた。
少ししてから、二の腕にズキリと痛みが走った。
袖をまくり見てみると、左の二の腕に、噛み跡があった。
血は出てないものの、かなり深く、噛み跡があった。
直感的に、あの狼だと思った。
今までと違って、すぐに危害を加えてくるタイプか。
ヤバいな。
他の人に危害を加える前に、祓わないと。
軽く包帯を巻いたあと、インベントリから斧を出し、バレないよう窓から出る。
どこに監視カメラがあるかなんて、全部把握してある。
死角を潜るように進み、森に行く。
どうして森に行ったのかは、イマイチわからない。
けど、あの森の風景と同じところまで、行こうと考えた。
途中森を進むに連れて、少しずつ、殺気を感じるようになった。
人ではなく、動物なのはわかる。
気にとめず、ひたすら進む。
開けたところに出れば、偽イフ親がいた。
こっちを見るなり、
『死にに来たのか』
と言われた。
「いや、殺りにきた」
そう返して、問答無用で首を狙う。
今までと違って、避けられてしまう。
おまけに、ジャケットを爪で破かれてしまった。
念の為、いつものジャケットを着てないから、バレないとは思う。
ひたすら攻撃し、攻撃をよけ、たまに当たってしまう。の繰り返し。
ヘルメットがあって、助かる場面は何度もあった。
長く感じたけど、おそらく短い。
短いはずに、相手が強く、体力がゴッソリ消えた。
それでも。
狼の隙に、俺は斧を振り下ろした。
狼は避けようとしたが、遅かった。
綺麗に成仏したな。
それを確認した後、急いで部屋まで走る。
帰り道、他の動物の殺気は感じなかった、
ちゃんと、カメラの死角から部屋に戻る。
その後、ジャケットを隠し、傷を手当(そこまで酷くなかった。幸い、服で隠せるところだし)しておく。
よし。おやすみ。
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兄さんside
あっという間に、1週間が過ぎていた。
帰って2日目から、あの狼は姿を見せなかった。
別に、悲しくは無い。
元より今日、野に放つつもりだったから。
それよりも、後発組の3人と仲良くなれたことが嬉しい。
もちろん、他のみんなとも話した。
本当は今日の夕方まで居たかったが、次の国までか遠く、昼には出ないと行けなくなった。
「なあなあ。次いつ帰ってこれんの?」
「わからんな。まあ、早目に帰るさ」
「兄さん怪我せんようにな。ちゃんと飯もくってな」
「わかってるよ。おまえらもな」
以下省略。
まあ、そのうち帰るけどな。半年以内には、顔出すさ。
みんなその事を知っているから、「いってらっしゃい」と、見送ってくれる。
もちろん、俺は返す。
「いってきます」
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兄さん含め、誰にもバレなかった。
怪我も、すぐに治ったし、無事解決!
兄さんが基地を出て、みなさん悲しむかと思えば、けじめをしっかりしてる。
ただ、いつもサボる大先生たちが、書類を出してるあたり、寂しんやろな。
俺?俺だってそうよ。
せっかく仲良く出来たんやから、もっと話したかった。
けど、半年以内には帰ってくるから、その時まで楽しみを伸ばし伸ばし。
の、はずなのに。
今トントンさんと一緒に、医務室に連行されている。
徹夜しすぎだって…まだ2日目です。大丈夫です。
まあ、休みますけど。
俺が寝てる間は、何も起きませんように。
おやすみなさい。
♡×80
平均にまとまった…平均高い。
次頑張りまーす