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???「全員揃っているか?」???「確認取れました!」
???「わたしも準備OK!」
組員が全員揃っているか聴いているのは「兎白」、確認したのは「瑠璃人」、意気込んでいるのは「紫雲雨花」である。
雨花「じゃあ次の町に行くんだよね?」
兎白「あぁ、だが今まで捕まえた町長たちからある程度情報を取る事が出来た。だからわざわざ町で聴き込みする必要はないだろう。保護することに関しては町長を倒した後に説明する」
瑠璃人「オレたちは前回同様に「例のあれ」を取り付けます。」
兎白「分かった。じゃあ行くぞ」
瑠璃人「もう雨花行きましたよ」
兎白「何?!」
「組長!それから伝言とこれを預かりました!」
兎白「…………!」
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雨花「よしっと、小雨丸!ここからバッチリ撮影よろしく!悪徳商法をしている現場も取らなくちゃ裁判できないんもんね〜」
今回、撮影係として小雨丸も作戦に参加した。
小雨丸は小さくうなづく。
雨花「ここの空気口は全ての塔に繋がってるって前の町長の時知った。つまり、そこら中に「例のあれ」をしかけられる。……少しでも沢山付けておかないと効果が鈍いからね」
雨花はするりするりと空気口を抜けていく。
雨花「あった。町長室!ふんぞり返って優雅にマッサージされてる……ぷぷぷっ。みなよ小雨丸!あの人が今から「あんな目」に合うなんてね?」
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瑠璃人「で?」
「「どうしてこうなるんすか……」」
死神組組員は、今絶賛……
ペチペチの女の子に変装中である。
兎白「町長たちの証言によると、この町の町長は、女子に目がないそうなんだ。しょっちゅう町にいる美人を攫ってはいやらしいことをしているみたいなんだ」
瑠璃人「だからってこんな伝言通りにしなくたって!」
伝言には、「町長の油断のすきをついて捕まえろ!(笑)」と書かれていた。
瑠璃人「この「(笑)」が余計腹立つなぁ……」
兎白「前にメイド服着た時はノリノリだったじゃないか」
瑠璃人「それは遊び感覚だったからですよ〜こんなゴリゴリの任務の時に着たくなかったんです〜そういう兎白さんはどうなんですか?」
兎白「俺はあの時は恥ずかしかった。でも今は任務のためだから全く恥ずかしくない。寧ろ誇らしい気持ちだ」
この話が気になる方は、「透明色の彼岸花 第九話」をご覧下さい。本当に宣伝すみません!(多分これからもします!はい!)
瑠璃人「あんたも中々の変神っすね」
兎白「雨花が置き手紙と共に用意した服は、筋肉を隠しつつ、適度に露出している服だな。これなら誘惑出来るかもしれん」
瑠璃人「兎白さんから「誘惑」なんて言葉を発させてしまう雨花はなんなんだ。ていうかオレまで着替える必要あったのか!?」
兎白「もし、俺たちが捕まったらお前が指揮を執ることになる。その時にお前だってバレたらまずいだろ」
瑠璃人「まぁそうなんすけど……絶対面白いっていう理由もあると想うんだけどな……」
兎白「町長が二人減ったおかげで塔よりそこまで離れていないところで瞬間移動できたから、ここまで来れた。ここからは散らばるぞ」
瑠璃人「は〜い」
瑠璃人と組員は塔の外の方へ走っていった。
兎白「俺たちも行くぞ」
兎白と残りの組員たちも塔の中へ入っていった。
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兎白「お前たちは塔の中で一旦散れ。俺は町長室に向かう」
「分かりました」
兎白「(今頃雨花も潜入できているはず。俺は町長を倒さなければ……)」
「それにしても」
「(女子多くないか?)」
兎白は、塔の中を歩いていく。しかし、周りには華奢な女の子しかおらず、しかも、どこか顔色が悪い。
「あの子町長に呼ばれたでしょ?」「知ってるわよ。その話」
兎白「すまない。何の話か聴いても良いか?」
「きゃ、めっちゃかっこいい……!」「女の子なのにめちゃくちゃイケメンね!素敵だわ!」
兎白「ありがとう。それで話の続きなんだが……」
「あら知らないの?前に町長室に呼ばれた子……塔の上から飛び降りて亡くなったそうなの」「あの子、相当参ってたみたいね」
兎白「…………ありがとう。ご協力感謝する」
「ご協力?」「どういうこと?」
しかし、瞬きするうちに兎白はいなくなっていた。
兎白「さっきのが本当の話なら、妖怪も俺たちとさして変わりはいないのだな。俺たちと同じように傷つき、傷つけ、嬉しさや楽しみを感じ、悲しみや怒りも感じる。ちゃんと心を持っている。なら、分かり合えることだってできるはずなんだ。そのためにも……俺はやるべきことをやらないと」
兎白はとうとう町長室に着いた。
「おぉ……優しく揉みほぐしてくれ」
「……はい」
兎白の目の前には、女子に足をマッサージされ、大きな葉で仰がれているナマズのような顔をした老人が椅子に座って、ふんぞり返っていた。
兎白「«おい、そこのあなた»」
«は、はい?»
兎白「«そこを静かに代わってくれないか?»
兎白は、足のマッサージをしている女子に自分と代わるよう伝えた。
«で、でも»
兎白「«大丈夫。あなたの悪いようにはしません»」
«わ、分かりました»
兎白は代わることができた。妖怪は目をつぶっているため、代わったことに気づいていない。
兎白「(よし、今だ!)」
「ぬおぉぉぉぉ!!!!」
兎白は想いっきり妖怪の足を引っ掴んで床に叩きつけた。
「な、何g」
兎白は、すかさず首、腹に打撃をいれ、足をひっかけてころばし、妖怪を気絶させた。
兎白「よし、これで良い」
周りにいた女子たちは呆然と驚いたように立っている。
兎白「すまない。怖がらせてしまった」
「だ、大丈b……あ!後ろ!」
兎白「なっ……」
妖怪は、完全に気絶しきってなかったのか、白目を向いて襲いかかってきた。
兎白「くそっ」
兎白がやられるその瞬間、
「ぐはっっ!」
兎白「な、何だ?」
???「兎白くん、爪あ〜ますぎ」
兎白「お前は……!」
「「雨花!!!!」」
雨花が空気口に手だけで掴まり、その流れで妖怪を蹴り込んだ。
そして、小雨丸と共に空気口から降りてきた。
雨花「丁度よく兎白くんが闘ってたのみてたんだよね〜兎白くんがとことん追い詰めてくれてたら軽く蹴るだけでも済んだよ〜ありがとう!……兎白くん無事で良かった」
兎白「お前のおかげだ。ありがとう」
小雨丸も飛行して鳴いている。(ちなみに、通常のフンコロガシは飛べません。飛べるのは雨花の与える餌と神通力と妖術のおかげです。ご都合設定すみません)
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雨花「兎白くん大人気だね〜」
瑠璃人「オレたちだって活躍したのに誰も見向きもしない……ちぇっ〜」
今は、町長を倒し、町のみんなに報告している。しかし、報告の前に兎白の先程の闘いぶりをみてファンになってしまった者が沢山おり、報告どころじゃなくなった。
瑠璃人「トドメさしたのお前なんだろ?何か言わなくて良いのか?」
雨花「夢みる時は夢みさせたほうが盲目的になれて幸せなんだよ。それに別に一々撤回することでもないしね。まぁ兎白くんが撤回してるのに誰も聞いてないし、意味無いでしょ。」
兎白は、妖怪の女子たちに囲まれ、とても困っている。群衆の中に揉まれ、アイルビーバック状態になっている。
瑠璃人「ここって、女子多いんだな」
雨花「元々は違う町にいたみたいだけど、あの変態町長が集めたんだって〜」
やっと群衆から抜けられた兎白が戻ってきた。
兎白「雨花。頼んでいたことできたか?」
瑠璃人「頼んでいたことって?」
雨花「うん!ここにいる子たちが納骨した箱を持ってたから今から家族に渡しに行くとこ」
瑠璃人「納骨?」
兎白「さっき話しただろう?塔から飛び降りた女子の話」
雨花「元々その子はここにいる子じゃなくて、前に兎白くんたちが助けた町の子なんだけど、誘拐されて家族と離れ離れだったからちゃんと送り届けないとね」
小雨丸は雨花の持つ虫かごで糞を食べて、雨花の方をみている。どこか切なそうに。
辺りにはまだ妖術の気が舞っている。しかし、確かに薄くなってきている。でも、それは妖怪を排除しているのと同様。この道は果たして合っているのか────