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《酒池肉林の視点》
酒池肉林は万全の状態で小テストに挑んだ。
この日のために2日間自らの場酔いを引き起こす能力《頓珍漢の宴》を封印し、更に
これまで決して休むことのなかった居酒屋のバイトを店長に頼み2日休ませてもらった。
全てはロカ先生の『エンプレス•ディスコ』
で心を折られ能力を破壊されないためである。
これにより酔いが覚め、疲れが取れ、
シャキッとした頭になった林ちゃんはまさに
アルティメット林ちゃんであった。
(それにしても …..本当に難しくなってるなー?前は《能力者の能力は精神力に依存する
◯か✕か?》みたいなサービス問題も
あったのに…..、あー早く帰って《頓珍漢の
宴》でベロンベロンに酔っぱらいたーい。
適当な酔っ払いのおっさん捕まえてセックスしたーい。)
林はそう思いながらテストの難問に挑んだ。
林は なんとか赤点を回避した。
(酒池肉林250点満点中170点。赤点回避。)
《白雪毒林檎の視点》
白雪毒林檎は前回のテストで学年三位を
取った秀才であった。
彼女が赤点をとることはまずないはずであった。
(それにしても林檎の檎ってどういう意味なんだろう?)
白雪ちゃんは時間が余って暇だったので
そんなことをぼんやりと考えていた。
白雪ちゃんは自分に毒林檎と名付けた産みの
親を思い出しお腹を庇うように抱えた。
白雪ちゃんは自分の《制御不能型》の能力を
思い出した。
白雪ちゃんはロカ先生の能力を思い出した。
白雪ちゃんは消しゴムを取った。
そして大好きな里親のおじいちゃんおばあちゃんのことを思い 少しためらった。
(おじいちゃん……おばあちゃん……皆
……ごめんなさい…….。)
白雪ちゃんは必死で涙をこらえながら
消しゴムで解答を消し、書き直した。
(白雪毒林檎250点満点中140点、赤点決定。)
《恋原表裏一体の視点》
(ボクの名前かわいいけどなっがいんだよねー。パパとママから貰った名前だから気に入ってるけど。)
自己肯定感の塊、恋原表裏一体は問題を全て解き終わった後にできる限り可愛い筆跡で
名前欄に自分の名前を記入した。
芸術家で ある父とファッションモデルである母をもつ表裏一体にとって名前を書くという行為は 芸術活動であり自己表現の一種だったからだ。
(ボクの名前、やっぱ可愛いなー☆)
できる限りの可愛い筆跡で名前を書いた後
満足げに表裏一体は頷いた。
(ボクの名前と能力はパパとママと神様から貰った大事な宝物だもん☆絶対誰にも壊させないもんねー!!)
彼女は能力を奪われないようにらしくもなく
本気を出した。
彼女の唯一の弱点である歴史も彼女の機転によりすでに克服していた。
(ふっふーんテスト終わったらどろり達を
女の子にして着せかえごっこしちゃおっと
☆)
彼女はネガティブなことを決して考えない
性格だった。
彼女はどろりと海街が必ず赤点を回避しロカ先生の目を掻い潜ると心の底から信じていた。
彼女は本来の実力を発揮し、またどろりから
貰った独絵三十九秒のノートの写しも活用したことで学年三位になった。
(恋原表裏一体、250点満点中246点。赤点回避、学年三位。)
《千代子令子の視点》
千代子令子はすでにこの勝負に勝っていた。
ロカ先生が受け持つ古典以外のテストの情報を全て抜き取り、ロカ先生が決して自分を警戒しないよう存在感を限りなく消し、唯一の
懸念点の古典の勉強も怠らなかった。
彼女は すでにいつでも満点をとれる状態だった。
しかし、彼女に とっての勝利条件は赤点をとることでも、 満点を とることでもなかった。
彼女の勝利条件はだれにも自分の能力を
悟らせないことだった。
故に彼女は熟考した。
決して手を抜いたと思わせず、能力を悟られないギリギリのライン。
これを慎重に検討した結果彼女は自らの思惑通り平均点より少し上の成績を取った。
(千代子令子、250点満点中192点、
赤点回避。)