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第18話『裏道の先』
夜。
函谷関では戦火が絶えなかった。
城壁の上では秦兵たちが交代で守備を続けている。
しかし、じゃぱぱの意識は別の場所に向いていた。
李牧。
その存在が気になって仕方なかった。
同じ頃。
山中の裏道。
シヴァ隊は慎重に趙軍を追跡していた。
月明かりすら届かない険しい山道。
普通の軍なら進軍すら困難な場所だった。
しかし李牧軍は迷いなく進む。
「地図を持っている…。」
シヴァが呟く。
「しかもかなり正確な。」
副官が尋ねる。
「追いつけますか?」
シヴァは首を振った。
「無理だ。」
「向こうも急いでる。」
その時だった。
先行していた斥候が戻ってくる。
「報告!」
「山道の出口を発見しました!」
シヴァは地図を見る。
そして顔色が変わった。
出口の先にあるのは――。
秦国の都近郊。
蕞だった。
「まずい…。」
史実を知る虹桃軍団の者たちは理解していた。
函谷関は囮。
本命は蕞。
そこを突破されれば秦の心臓部が危険に晒される。
シヴァは即座に命令を下した。
#リゼロ
すず
144
33
「伝令を出せ!」
「最優先だ!」
「李牧軍は蕞へ向かっている!」
一方。
函谷関南西。
張唐軍は韓軍へ向けて進軍していた。
老将・張唐の旗が夜風になびく。
その隣には虹桃軍団の一部隊。
なおきり隊だった。
「本当に行くんか。」
なおきりが尋ねる。
張唐は笑う。
「儂は将軍だ。」
「兵が苦しんでいるなら前へ出る。」
「それだけだ。」
なおきりは小さく笑った。
「嫌いやないな。」
その頃。
韓軍本陣。
成恢は新たな毒の準備をしていた。
すると部下が慌てて駆け込んでくる。
「将軍!」
「張唐軍が接近しています!」
成恢は目を細める。
そして不気味に笑った。
「ようやく来たか。」
「待ちくたびれたぞ。」
北方戦線。
断崖の上。
燕軍と秦軍が激突していた。
オルドが豪快に笑う。
「王翦!」
「隠れてばかりじゃ勝てねぇぞ!」
対する王翦は冷静だった。
「勝つ者は騒がぬ。」
「負ける者ほど叫ぶ。」
オルドの顔が引きつる。
その直後。
山の反対側から秦軍の伏兵が現れた。
「なっ!?」
王翦は最初から全て読んでいた。
燕軍が登る場所。
突破する経路。
伏兵を配置する位置まで…。
そして函谷関本陣。
シヴァからの伝令が到着する。
じゃぱぱは報告書を読む。
その瞬間、立ち上がった。
「蕞だ。」
十二将が振り向く。
「李牧の狙いは蕞。」
空気が凍る。
もし蕞が落ちれば…。
函谷関が持ちこたえても意味がない。
のあが地図を広げる。
「急げば間に合うかもしれない。」
もふも頷いた。
「でも函谷関の戦力を減らせば危険。」
難しい選択だった。
その時。
函谷関の外から歓声が響く。
中央戦線。
汗明がついに前線へ姿を現したのだ。
巨大な矛を掲げる汗明。
それに応えるように馬を進める蒙武。
両軍の兵士たちが道を開く。
誰もが理解していた。
これから始まるのは戦局そのものを左右する激突。
秦最強の武。
楚最強の武。
歴史に刻まれる決戦の幕が、ついに上がろうとしていた…。
コメント
1件
第18話、一気に全戦線が動き出して本当に熱かった…!🔥 じゃぱぱが李牧の存在を意識し始めたところとか、シヴァ隊の「無理だ」っていう冷静な判断と焦りが混ざった感じ、すごく伝わってきた。で、函谷関が囮で本命が蕞って…もう鳥肌。王翦の「勝つ者は騒がぬ」の台詞、カッコよすぎて巻き戻したよ。そして最後の汗明vs蒙武…幕が上がるって言葉、重みが違う。続きが気になって仕方ない…!🍙 さんの戦略の練り方、本当に尊敬する。